暗示する写真

私は夏場になると毎年思い出すことがあります。

私が小学生の頃、夏休みになると毎年近所の子供会と称して親たちが何かしらのイベントを企画してくれていました。

この年はそれぞれの親たちと一緒にみんなと海浜公園でバーベキューを行ったのですが、集合写真を撮った際に一人だけ私の同級生の男の子が周囲の風景に対し透けた状態で写ってしまったのです。

その子は活発な子でクラスでも中心的な存在でしたが、光の加減であろうか影が薄くなるなんてと集合写真を頂いて見た周囲の人達はそう言っていたのを覚えています。

そのような写真が撮られて間もなく、透けて写ってしまった写真の男の子は子供会から少し経った後の河原遊びで深みにはまり溺れて亡くなりました。

お通夜の際、写真を撮っていた親の方に聞いたところによると、この男の子のスイカ割りの場面を撮った写真では全身が水に濡れているように写っていたとのことで話を聞いたら私は更に気味悪く思いました。

そしてこの事故もあり翌年からは子供会も無くなってしまいました。

この出来事を通して以来私は写真というものは単に風景を映すだけではなく何か警告めいたものや、暗示も予言することがあるのではと思っています。