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心霊

ナナシーさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

日常に起こりえる恐怖体験
短編 2022/09/15 23:50 938view
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春先の夜中の事です。

普段夜中にはめったに目を覚まさない自分ですが、この時は急にトイレに行きたくなり2階の自室から階段を下り、1階のトイレに向かおうとした時です。

“ピンポーン”と自宅の呼び出しコールが鳴りました。

時間は深夜の2時頃です。

気のせいかと思い先にトイレに行き用を済ませたのですが、気になって台所にあるモニターを覗きました。

すると、呼び出しコールが鳴ると自動的に玄関外の様子が映るシステムになっているのですが稼働していました。

“誰か押したんだな。

酔っ払いかな。

”とも思いつつ画面に近づいて見ていると、まさかの私がその場で金縛りにあってしまったのです。

横になって寝ている中で体が動かなくなるのが金縛りと思っていた私ですが、立ってモニターを覗き込んだ姿勢のまま動けなくなってしまいました。

この時は怖さと驚きで心臓もバクバクしている感覚を覚えています。

暗闇の台所で声も出せなく脂汗をかく自分の視覚に、モニター先に街灯の明かりでわずかに見えたのですが、冠婚葬祭で着る黒い着物のようなものをまとった顔は真っ白の女性が立っているのがわかりました。

私はこの女性を見るなりあまりの怖さで失神してしまいました。

気が付いた時には外が明るくなっており午前7時過ぎ、私は台所で倒れていたのです。

目が覚めて夜中の出来事が夢だったのか、いや現実に起こった結果自分は台所にいたことに不安になりつつ、玄関外を恐る恐る確認しました。

明るくなった玄関先にはいつもの見慣れた風景そのままでした。

玄関外で呆然としていると家の中の電話が鳴り、受話器をとると親戚の訃報を知らせる連絡でした。

この夜中に見た女性が原因とは言えませんが、この後私は仕事でリストラになり、休職中には交通事故で足の骨を折る重傷を負いました。

不幸が重なったこともあり、地方の田舎に帰ったら悪い出来事は起こらなくなりました。

今思い返すと私が住んでいた一軒家は会社から勧められて、仕事の関係で一時的に住まいとしていたところのため、今でも曰く付きな場所ってあるものだなあと思っています。

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