怨念の宿る絵画

私が１０年程前に自宅で年末の大掃除をしていた時の事です。

私は普段めったに開けない押し入れの中から布にくるまれた額を見つけました。

額にはタグが“引っ越し祝い”とありました。私達家族が現在の家に引っ越してきたのは約２０年前でした。

私はおもむろに布をめくり、額の中身を確認すると何とも暗い描写の中で黄色い人のような形をしたものが何体も彷徨っている絵が出てきたのです。

気味の悪い絵画が引っ越し祝いなんて普通ではないと思い、両親に問いただすと、引っ越してきて片づけをしている際に誰から送られたものでもなく気が付いたら荷物に紛れてあったとのこと、当時不気味に思いながらも絵を飾ることなくとりあえず保管していたとのことでした。

その後は家族で話し合い、翌日絵を廃棄することとなりました。

そして絵は廊下に置いて一晩を過ごしたのですがその夜中、私は寝室から廊下の方でうなり声が聞こえてきたという体験をしました。

朝母に夜中の事を話すと、母も廊下で人の息遣いが聞こえていたということでした。

気持ちの悪い絵はその後間違いなく廃棄したのですが、最近廃墟群を探索する動画を見た際に、ある廃ホテルの一室に全く同じ絵が飾られていたのです。

きれいな絵や心に残るような絵画でしたら複製もあるのでしょうが、まさか見ただけで気味の悪い絵がほかにもあったのか、ましてやホテルのようなところで飾るのかと不可思議に思いました。

私自身絵画には詳しくないのですが、職場の同僚にこの話をしたら魔除けとして飾る絵もあるとのことでした。

私自身も深く調べたところ、実際に不幸を招く絵画や寿命が短くなる絵というものがあることを知って、人が怨念を込めて創作した絵画というものを見るのが怖くなった次第です。