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心霊

朱鳥さんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

暗闇から見えた赤い物体
短編 2022/03/26 02:02 712view

 幼い頃、当時住んでいた家で、襖を仕切りとし客間と仏壇が飾っている部屋がありました。客間は幼かった私と兄の勉強部屋で、夜になると仏壇の部屋と客間は襖で閉まるようにしていました。

 当時の家族は、祖母と父、母、兄が2人と自分の6人家族でした。ある日、私は一部屋で一人でテレビを見ていました。2人の兄は別の部屋で、残りの家族は茶の間にいました。夜20時頃突然仏壇部屋から襖にドンドンと大きく叩く音が聞こえました。私は怖くなり泣きながら茶の間に走って行き父と母、祖母に話をしました。「仏壇の部屋から大きい音が聞こえた(泣)」と、しかし、大きい音だったのにも関わらずみんな叩く音も聞こえなかったみたいでした。父が一緒に行き確認しましたが仏壇部屋には何も変化はありませんでした。

 別な日の夜、同じ叩く音がまた聞こえました。私は何を思ったか叩く正体を知りたい好奇心が勝ってしまい意を決して仕切りの襖を開けました。すると仏壇の方から、「カサカサ・・・カサカサ・・・」と赤い歪んだ手首だけしかない手が私の方に向かって来るのが見えてしまいすぐに襖を閉めて、私は悲鳴を上げ茶の間に逃げました。その後、確認しましたが何も見えなくなりました。

 それから30年経ちました。実家は震災で流されてしまい何もありませんが、記憶には深く残っています。

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