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心霊

壇希さんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

泥の花嫁
短編 2021/12/02 18:28 3,882view
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「何だ、あれ?」

マンションの下に着くと、シュンは上を見上げ首を傾げた。見ると、六階の通路の照明の一つが点滅している。切れかけていたり接触の問題ではなく、しっかりと点灯と消灯を等間隔で繰り返しているのだ。

「あれ俺の部屋の前だよ」

 シュンが気味悪そうに言った。しかし帰らない訳にはいかない。俺たちは気にしないように努め、エレベーターに乗った。
 点滅は俺たちが部屋の前まで来ても収まることはなかった。

「明日管理会社に言わなきゃな」

シュンはそう言いながら扉を開けた。
 部屋の中に入ると、こちらを向き驚いた顔をしている女性と目があった。

「やだ、お客さんが来られるなら事前に言っといてくださいよ」

女性は慌ただしく立ち上がると、台所へと入って行った。

「ごめんなさいね、すぐに何か作りますから」

 これは申し訳ない事をした。こんな遅くに帰ったばかりに奥さんに変に気を使わせてしまった。
やはり今日は帰るべきだった。今からでも遅くないと、俺は隣にいるシュンを見た。

 シュンは、俺のことを凝視していた。まるで様子を観察しているように。

 シュンの様子がおかしい。そういえば、おかしいのはそれだけではない。部屋にいる奥さんも変だ。
 なぜか純白の花嫁衣装を着ているのだ。あまりに普通に着ていたので、違和感を感じなかった。

 そして、一番おかしいことに気づいた。

 シュンは、結婚していないのだ。

 その事実に気づいた途端、部屋の明かりがバチンと落ちた。
 暗闇の中、冷たい何かに手を握られた感触があった。
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 次に私が目覚めたのは、自分の部屋のベッドだった。あれからどう帰ったのか、何も覚えていない。

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コメント(1)
  • うらやましい

    2021/12/11/13:24

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