森で聞こえた赤ちゃんの声の先は…

これは私が小学3年生の頃の出来事です。

近所に中に道が作られていたり、遊具が時々設置されている森がありました。私も友達とよく遊びに行っていました。

遊んですっかり日も傾いてきた頃、ふと赤ちゃんの泣き声が聞こえた気がしました。始めはただの気のせいと思っていましたがその声はどんどんハッキリ聞こえてきて、私は友達に赤ちゃんの声が聞こえないかと問いかけました。

すると「私も聞こえる」「俺も」とその場にいた全員が赤ちゃんの声が聞こえたというのです。そしてその声は次第にはっきり聞こえたと…。

1人の友達の提案で赤ちゃんを探すことになり、声のする森の奥へと私たちは進みました。

しばらくいくと立ち入り禁止の看板にたどり着き、どうやら声はその奥から聞こえるようでした。

「入ってみる？」一人の提案で入ろうか迷っていると、丁度友達の一人のお母さんが迎えに来ました。
声は気づけは聞こえなくなっていました。

私たちは暗くなってきたのでそろそろ帰ることにして、後日父にその話をすると父は顔を真っ青にして答えました。

「あの森の奥が立ち入り禁止なのは底なし沼があるから。昔そこで女性が赤ちゃんと心中したんだ」と。

私はその話を聞き怖くなり友達と会ったときに伝えました。本当に立ち入り禁止の先に入らなくてよかったと皆言い、入ってみるって言ったの誰だったかという話になりました。

しかし、誰一人「はいってみる？」なんて言ってないと言うのでした。