先に行動するもう一人の私

この話は私自身の話です。

始まりは私が小学校低学年の頃、下校時間は大体いつも15時頃でした。
帰宅する時間にはいつも母親が居ます。母親は専業主婦なので決まってこの時間は昼寝をしていて、私のただいまーという声で起きます。

ある日もいつもと同じようにただいまーと帰宅すると、いつもは母親がおかえりーと起きてくるのですが、その日は驚いた顔で、えっ？さっき帰って来たでしょと言いました。
私は今帰って来たよと言い、母親はおかしいわね、寝ぼけていたのかしらと言い、不思議そうな顔をしていました。

それから数日後同じことが起きました。さすがに二回目なので母親と私は怖くなりましたが、その他に不思議な事は起きていなかったので、気にしないように過ごしていました。

それからというもの特に何も変わったことはなく、私は中学生になりました。
近所にコンビニが出来たので、たまにおやつを一人で買いに行くことがありました。
ある日私が近所のコンビニに行くと、いらっしゃいませーと言った店員さんが驚いた顔で私を見ます。
そして私につい数秒前にも来たよね？今店内で商品を選んでるはずだけど一回お店出たの？と聞かれた私は、いえ今日は初めて来ましたと言うと、怖いと言って不思議そうに私を見つめていました。

帰宅して母親にそのことを話すと、確か小学生の時も二回同じような事があったねと言い、二人で黙り込んでしまいました。一体何なのか私も不安で怖くなりました。

しばらくして母親は私に、もしかして早く目的地に行きたい一心で体か魂が先に行ってしまうんじゃないの？と真剣に言いました。その後そういった事はなくなりましたが、もしかしたら同じ場所で同じ時間に二度私を見た方は他にもいるかもしれません。