お盆に釣りに行って

つい先日の事。

朝から体調が今一つだった私は、その日は
早めの盆休みということにして安静にしていた。
自営業なので、その辺はなんとかなる。

寝込むほどではないので読書をしていたのだが、
友人のSから電話が架かってきた。
「釣りに行こうぜ。」
Ｓは朝から釣りに出かけていたのだが、いつもの釣りポイントが
釣り人だらけで辟易し、少し前に私が開拓したと聞いたポイントに
いまから一緒に行こう（案内しろ）ということだった。
私も釣り好きでＳとは何度も釣行をしているのだが、
今は体調が悪いからと断ろうとした。
だがＳはあきらめない。
外の風にあたったほうがいいとか、車は自分が出すからとか。

なにも盆の時期にわざわざ殺生をしなくても、とも言ったのだが、
「俺はキャッチ＆リリースだから」とケロッとしている。
Ｓの誘いを断るほうが疲れると判断した私は、
しょうがなく同行することにした。

車で３０分ほどのポイントに行った。
中程度の川が大きな川に流れ込む場所で、
鯉も鮒もブラックバスもいる、というポイント。
少し前に一度竿を出して、多分、鯉だと思うが大物に
糸を切られた。
Ｓにその話をしなければ、連れ出されずにすんだのだが（笑）。

到着したのが真昼間だったからか、他に釣り人はいなかった。
朝や夕には手延べ竿から投げ釣りまで多種多様な釣り人が
いるそうなのだが。
Ｓはさっさと釣り座を選び、とっとと竿を出し、

釣りに集中しだした。
私もＳから少し離れた場所で手延べ竿を出したのだが、
やはり体調が今一つで釣りに集中できなかった。
悪化することはなさそうだったが、無理はしないほうが
いいという感じがした。
１時間ほどしてアタリもないので私は竿をしまい、
のんびりと景色やＳの釣りを眺めることとした。
だがしばらくして飽きてきた私は、少し離れた他のポイントを
偵察に行ってみることにした。
Ｓにその旨を告げ、下流方向に向かって川沿いに歩いて行った。
２０分ほど歩き、次に来た時にはここがよさそうだな、
などという場所の見当をつけたりして、戻ることにした。
その間、他の釣り人の姿は一人も見かけなかった。
今日、Ｓが最初に行ったポイントは釣り人だらけだったそうだが・・