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心霊

宇都宮さんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

源平合戦 今でも・・・
短編 2021/03/26 22:49 1,588view

 私の住んでいる場所は源平の合戦にゆかりのある街です。近くのお寺に「首洗いの池」と呼ばれるものがあったり、武将が腰かけた松が残っていたりします。また博物盛んには当時の武将が吹いたと言われる有名な横笛も現存しています。そんな町なので、近くには源平合戦の有名な戦場跡もあります。山が海に迫った場所で、そこで昔有名な合戦が行われ、多くの平家の人たちが死んだと言われています。今ではそのすぐ近くまで造成が進み、急な坂道の両脇に家が立ち並び、山を切り崩してマンションもできています。そこに住む母の友達が教えてくれた話です。2月のある日になると、その母の友達の家で不思議な事が起こるというのです。

 夜になると、風もないのに外がざわざわと鳴り始め、やがて人や馬の走る音が聞こえるというのです。またそれだけではなく、時には窓に一瞬、鎧兜をつけた武者の影が映った事もあると言います。その日がどうやら合戦のあった日で、敗れた平家の人たちの思いがまだ残っており、その日になると今でも現れるらしいのです。

 これだけなら、その人の家だけの話で本当かどうかもよく分りません。ただ、良く似た話は、近くの別の場所でも聞かれるのです。

 その合戦場後から少し離れた場所に、小学校があります。周りを山に囲まれた小さい目の小学校です。そこでも時折、鎧兜の武者が出るというのです。

 山を切り崩して作ったような小学校なので、日が暮れると暗くなるのは周りより早いらしいです。放課後、子どももいなくなり先生たちが仕事を終えて帰る頃、用事で教室へあがった時、鎧武者を見たというのです。この話は一部の人たちの間では有名です。知り合いにその小学校に勤めることになった者がおり、聞いてみた所、

「私は見た事はない。けれど、勘の鋭い人やその手の感覚のあるらしい人は放課後に教室へあがる時、とても嫌な気分になる事が良くあるらしい」

という話をしてくれました。鎧武者かどうかはわからないけれど、この合戦場跡近辺には何か曰くがあるようです。

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