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不思議体験

綿貫 一さんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

ハーメルン
長編 2024/01/17 21:36 5,383view
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2歳半になる息子の陸(りく)は、ただ今、やんちゃ盛りです。

玄関のドアを開けてやると、私に鍵をかける余裕すら与えず、道路に飛び出していこうとします。
いくら住宅街とはいえ、車が通るかもしれないのだから、あまり心配させないでほしいと思います。

しっかり手をつないで歩き出します。
それでも、しばらくすると、路地からのっそり現れた野良猫に興味をひかれ、私の手を振り払って、タッタカ駆け出します。
猫は息子に驚いて、停めてある車の下に身体を滑り込ませました。

あーあ、逃げられちゃった。
陸クン、呆然としております。

おやおや? また何かに興味を持ったようです。
陸クン、ダーッシュ!

――って、

「こらー! 陸ー! 
走らないのー! 転ぶよー!」

あっちへ走り、こっちで止まりしながら、ようやく目的の公園に到着します。
自宅から歩いて10分くらいのところにある、割と広めな自然公園です。
遊具などはありませんが、とにかく広いので、子供たちも思う存分駆け回ることができます。

それにここは、同年代の子供を持つ近所のママ友たちとの、交流の場でもあります。
ほら、いつもの場所に皆集まっています。

「こんにちはー」

「あ、陸クンのお母さん、こんにちはー」

「どうもー」
「こんにちは」

私は、挨拶をしながらママ友たちの輪に加わります。
ここで子供たちが遊ぶのを見ながら、世間話に花を咲かせるのです。

「ねえねえ、聞いた?
 ――また、あったんですって」

いつもは声の大きい勇太クンのお母さんが、声をひそめて私たちに話しかけます。
他のママ友たちも、一様に不安げな顔をしているのを見て、私の頭には、先日起こった「ある出来事」のことが思い浮かびました。

それは1週間くらい前の話です。
小林さんのところのさっちゃんという女の子が、この公園から20分ほど歩いた住宅街の一角で、道路の側溝に落ちて足をくじいたのです。

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コメント(3)
  • ハラハラドキドキ面白かったです。

    2024/01/20/01:28
  • 読みやすく面白かったです

    2024/01/27/11:07
  • 犯人は誰だろう?
    お母さんやお父さん…じゃないしな

    2024/01/30/01:27

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