山から降りて来る人間
投稿者:おれんじオレンジ (4)
長編
2023/10/10
21:54
19,743view
到着して、すぐに食事に誘われた。
母、祖母、A君、俺の4人で。
食事中は愛想良く家族皆俺に接してくれたのだが。
A君が
「〇〇君、今日ここに泊まっていくから」
と言った時。
A君の母の態度が変わった。
魂がスッと無くなったように。
そして母は、
A君を奥の部屋に連れて行き、何か言い争っていた。
そのせいで、居心地がだいぶ悪くなった。
お邪魔かな?と思ったし
食欲もなくなってしまった。
結局のところ
泊まって良いということで、
A君と一緒に畳の部屋に案内された。
ダイニングから部屋まで、縁側を歩いた。
左手は畳の和室が並んでおり、
右手はガラス張りの引き戸から裏庭が見える。
庭には灯籠が1つ灯ってあり、
その淡い光が青く暗い裏山の林を照らす。
闇が光を吸い込むその様に、
俺の視線も吸い込まれていった。
俺はその裏山に視線を向けている時、
本能的に何かを感じ取った。
向こう側からの動物的な視線を。
と、言っても
岐阜なので野生動物ぐらいいるだろう。
案内された畳の部屋は
イメージ的にサザ●さんの家の
ナミ●イの部屋の感じだ。
畳の部屋に大きな木のテーブルだけで、
布団は2つ棚にしまってある。
この話は怖かったですか?
怖いに投票する 34票
写真に写っているのに、A君を知らないとは不思議でたまらない