乗っ取られた日

私は一度、摩訶不思議な体験をしたことがあります。

その日私は気づいたら、公園にいました。

それまでの記憶があやふやで、なぜ自分がそこにいるのか分かりませんでした。

見たこともない公園で、私は頭を抱えたのです。

そしたら公園に誰かやってきました。

それは学生服を着た高校生らしき男の子でした。

何か言う前に、私はその子に急に抱きしめられたのです。

何が何だか自分でも分からない状況でした。

それなのに、私はその人に向かって、「ずっと好きだったのに」と確かに言ったのです。

自分で言っておいて、何のことやら意味不明でした。

その言葉を言った瞬間に、急に体が軽くなったような気がしました。

そこから私は意識をなくしたのでした。

起きたらベンチに寝ていて、公園で会った男の子が隣にいました。

そこはさっきの公園で、私はその子に送ってもらって家に帰ることができました。

そこで聞いたことは今もショッキングで、忘れられません。

だってその子が言うには、私は彼の死んだ友達が乗り移っていたと言われたからです。

それが本当なのか嘘なのかは正直分からないです。

でも確かにあの日私は意識がなく、知らない内にいつもの生活圏とは何駅も違う知らない土地にいました。

そして無意識の内に彼に言葉を発していました。

体を乗っ取られていたというのが一番しっくりくるのです。

摩訶不思議な体験だけど、その後知らない高校生にお礼としてご飯をご馳走してもらいました。

ちょっと怖い体験だけど、でも若者の役に立てて良かったななんて思っています。