本当に怖いのは

私は、本当に怖いのは幽霊ではなく生きている人間だと思っています。
ところが、幽霊を過剰に怖がる人もいるのは事実です。
２０代の頃、一緒に働いた友達がその類でした。

金縛りの話になったので、私はこうやって外すんだよと説明していると
「うそ！信じられない、ありえない普通そんな冷静に対処出来る？」と
詰め寄られました。
「だって、別に刃物を持って襲ってくるわけじゃないでしょう？」と言うと
「私は怖くて、電気を付けて寝ているしテレビも音量を小さくして付けっぱなしで寝るわよ」と言うのです。

何がそこまで彼女を追い詰めたのかというと、高校生の頃寝ていると、女の幽霊が毎夜毎夜やって来て、トラウマになっているようでした。
「頭のほうからね、ミシ・・ミシ・・ミシって畳を踏む音が聞こえるのよ」
まあ、あるあるなので別に怖くもありません。
「でね、私の枕元まで来ると真上から顔を覗いている気配がするのよ」
定番のパターンです。
「そういうときは、生きている人間は明日も仕事で寝ないと働けないんだよ、あんたらみたいにフラフラしてられないから！と言って無視して寝るよ」と
答えると、あんたは普通じゃないと言われました。

逆に電気付けっぱなしとか、テレビつけっぱなしとか、私はそちらのほうが信じられません。
今でも生きている人間は忙しいから、じゃあね！といって眠りについています。