未来予想図カレンダー

子供の頃に、イラスト付きの日めくりカレンダーを作ったことがありました。
自分に似た女の子の絵を描き、オシャレをしたり楽器を演奏したり、
自分では出来ないことを絵にしてキャラクターに託し遊んでいました。
ある日のことです。
大好きな担任の先生が、担任職を変わることが決定しました。
先生の一教師以上の手腕を評価されたので、喜ばしいことなのですが、
私達生徒にとっては、１年が終わるまで先生に見て欲しいと思っていました。

「先生がいなくなるなんて、耐えられない！」

「何でこんな中途半端な時期に担任を辞めるの？」
クラスメートたちは皆口々に訴え始めました。
「代わりに来る先生も優しいからきっと仲良くなれるよ」
先生はニッコリと笑って皆を諭します。
私も悲しくてシクシクと泣いていました。
学校から帰り、手製の日めくりカレンダーをめくっていなかったことに
気付き、溜まっていた５日分のページを一枚一枚破り始めました。
そして今日の日付のページを開いたそのときです。

「うそ、女の子のキャラクターが教室の椅子に座って泣いている」
それはまさに今日、自分自身に起きた出来事そのままの絵だったのです。
「何　気持ち悪い！予知とかの類なのかな。また変なことになってる！」
私は数ページ先までのイラストを確認しました。

２週間後にも泣いている絵があります。
冗談じゃないわ！不幸な出来事を呼んでたまるか！と思って、
そのページを笑っている絵に無理やり描き替えました。
未来予想図は明るいものを描いた方が良いようです。