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心霊

ツェペットさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

悪霊の仕業?
長編 2023/01/08 00:02 1,930view

10年程前に近所で亡くなられたご高齢の方がいました。

大きなお屋敷のような家に1人で住まわれていましたので、地域の人も気にかけていました。
その方が亡くなられた後に、お子様がいらっしゃるという事が分かりました。そのお子様は知らせを聞き、すぐに帰省してきました。
息子さんだったのですが、地域の方への挨拶まわりなども丁寧にしておりました。地域の人みんな、お父様の死を悲しんでいました。

そして葬儀などが済み、お屋敷の片付けをしなければいけないとなった時、息子さん1人では到底無理だろうと言う事になり地域の人たちも手伝う事にしました。
お屋敷の中は色々な骨董品や趣味で集められたものが沢山あり、とても息子さん1人では無理な量でした。
初めは見た事のないお宝を発掘しているような気分になりワクワクしました。
少しずつ片付けも進み、残したいもの処分するものなどの仕分けをしていきました。

その仕分け作業中に奇妙な事が次々と起こりました。
まず、大きい仏壇は処分して小さいものにして息子さんが持って行くとなったので、中身を出し扉を閉めて運び出そうとなったのですが、全く仏壇が動きません。

大の大人が数人で持ち上げようにも全く微動だにしません。それだけではなく一度運ぶために閉めた扉が開かなくなってしまいました。
その時は、古いものだったからねという話になったのですが、その直後に隣の和室からカタカタという音がしました。
隣の部屋はまだ手をつけていないし、誰もいないはずなので不思議に思い見てみると、和室に掛けられていた掛け軸がカタカタを動いていて壁に当たる音でした。
全員が固まりこれは何なんだという空気に。
この状況に不気味だと帰ってしまう人もいました。
その掛け軸はすぐに動かなくなり壁から外されたのですが、外した後の壁を見ると染みのような形で龍の形が浮かび上がっていました。
その後も、数多くある掛け軸はカタカタと揺れ動くものが数点ありました。
そして外すと必ず龍の形が壁に残っていました。

この時点で、全員、何かが変だという事は気づいていたのですが作業は続ける事に。
その後も、処分する物を入れる為に用意していた多くの段ボールを重ねていたのですが、誰も触っていないのにいきなり崩れることが何度もありました。

作業しながら掃除も行っていたのですが、掃除道具がいきなり人の方に倒れてきたりと明らかに何者かが整理を止めさせたいという感じがしました。
生前、その方が何かに信仰があったかどうかは誰も分かりませんが、確実に何かがあると全員が確信していました。
私自身、あまり霊感が強い訳でもなく信じているタイプでもなかったのですが、次から次へと奇妙な事が起こるので少し怖いなと思っていました。
お手伝いをしている人の中には、一旦作業をやめてお祓いをしてもらったらどうかという意見を言う方もいましたが、みんなそれぞれ怖いなと思いつつも大丈夫だよ、と自分に言い聞かせるようにしていてあまり深く考えずに作業を進めようと言う話でまとまり作業を続行することに。
もちろん作業は1日で終わるものではないので、毎日手伝える人が代わる代わるお家へ行き息子さんと思い出話私をしながら作業をしていました。
掃除の中で出た処分するものに関して、大きいものはゴミ処理場に、骨董品は売りに出したりし、その他小さいものに関しては地域の決まりできっと禁止されていたのですが、田舎だったので燃やせるものは庭で燃やそうと言う話になり燃やして処分などもしていました。
燃やしている人が炎の色が変だと言っていたりもしましたが、色々な物をごちゃごちゃに燃やしているせいだ、気にするなといった会話もありました。

その中で問題のものが見つかりました。
それは立派なケースに収められた、龍が描かれたピカピカの万年筆でした。
息子さんは何だか不気味だから処分したいと言っていたのですが、周りの人たちは皆なんだか嫌な予感がすると言って放置していました。
私もその万年筆を見たのですが、立派なケースに収められていて使った形跡はなく大切に仕舞われていたように感じました。
趣味で購入し大切にされていたのかなと考えていました。

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