車に轢かれ死んだ子供の霊が出る団地

僕の住んでいる町内に不気味な噂があります。
５棟ほどある団地の１棟に、死んだ子供の幽霊が現れるそうです。
子供は、ケンイチ君と言う名前で小学２年生の時に、団地近くの道路でトラックに轢かれ死んでしまったそうです。
バックをしているトラックに巻き込まれ、病院に運ばれたそうですが、助からなかったらしいです。
３日後、ケンイチ君は亡くなりクラス全員で葬式に出ました。

このケンイチ君は、野球が好きで団地の壁にボールを当てて遊んでいたそうです。

「バーン　バーン」

と、ボールを当てる姿を団地の人はよく見かけました。
ケンイチ君が死んでから、団地の人から噂が立ちます。
当てていた場所で、夜になるとボールを当てる音が聞こえるらしい。

「バーン　バーン」

夜なので、団地に住んでいる人が音を気になり見に行きました。
すると、壁の場所には、誰もいません。
次の日も次の日も、夜になると壁に当てるボールの音が聞こえて来ます。

「バーン　バーン」

再び、住民が見に行くとやっぱり誰もいないようです。
団地の住民の間で、この噂が広まり、ケンイチ君の幽霊と言われました。
その後、ケンイチ君が当てていた壁には、黒い人の形をしたシミみたいなモノも浮き上がって来ました。

子供たちも、

「あれ、人の影に見えない？」

と、少し不気味に思うようになりました。
それから、住民の一人は、ケンイチ君が当てていた壁の所に花を置いたそうです。
すると、夜にボールを当てる音はなくなったそうです。