友人が勤める会社の話

友人が勤めている会社での話です。

その会社の駐車場は1階にあり、夜になるとシャッターを下ろすのだそうです。

友人が入社する何年も前に、その駐車場で亡くなった社員がいました。

その人は営業職で、夜遅くに帰社し、家に帰らずに車の中で仮眠を取ったのですが、冬なので暖房をつけたまま、つまりエンジンをかけたまま眠ったのです。

駐車場はシャッターを下ろした密閉状態で、一酸化炭素中毒、だったそうです。

その後、誰も乗っていないエレベーターが動いたり、無人の会議室や応接室に入っていくその人の後ろ姿が目撃されるなど、不可解な出来事が続いていて、1番衝撃的だったのは、友人が先輩から聞いた話で、帰宅しようと駐車場に行ったら、

亡くなった人が車の陰から、当たり前のように出てきて「お疲れさーん」といって、階段を上がっていったという目撃談です。

友人自身はまだ霊体験というほどではないですが、トイレの明かりを消したら個室から物音がしたので、誰かがいたのかと思い、「すいません、誰もいないと思って消しちゃいました」と明かりをつけたのですがなんの反応もなく、改めて覗いてみたら誰もいなかったということがあったそうです。

「俺はまだそんな程度で済んでるけど……いつかガッツリ見るのかなあ」と、笑っていました。