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意味怖(意味がわかると怖い話)

件の首さんによる意味怖(意味がわかると怖い話)にまつわる怖い話の投稿です

人権尊重の時代
短編 2022/11/13 21:12 2,377view
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「――田中さん、大丈夫ですか、分かりますか、声聞こえますか」
 聞こえてる、という意味で手を挙げようとする。
 ひどく腕が重い。
 確か寝る前は……そうだ。
 高速道路で運転していた時、中央分離帯を越えて、反対車線を走っていたトラックが転がって来た。
 目の前がトラックでいっぱいになって、その後は――。
「俺は……死んだんじゃ、なかったのか?」
「はい。確かにあなたは医学的に死んでいました。ですが、生命に関わらない部分の組織を、保存してあったのです」
 目を開くと、声の主は医師らしき白衣の女だった。
「それを発見した私たちのチームの研究によって、あなたは生き返ったのです」
「一体どんな未来に来た?」

「それほどでもありませんよ。ほんの20年です」
「ジョークなら良いんだけどな」
 どうにか身体を起こす。
「とりあえず、新聞を読みたいな」
 その時、ドアが激しく開いた。
 未来でもセンスの変わらない警官が押し入って来た。

「――つまりですね、あなたは被害者なのです」
 警察署内で、刑事がタブレット端末の画面に見せながら説明する。
「連中は、あなたの死体を実験材料にしたのです。これは大変な犯罪です」
「死体を実験に使っただけで?」
「あなた方の時代は分かりませんが、法律が改正されて、死体にも人権が認められるようになったのですよ」

「はあ」
「もっと早く逮捕していれば、あなたのような被害者を出さずに済んだのです。いやはや、申し訳ない」
「いや、そう謝って頂く程の事も」
「すぐに原状復帰致しますので」
 次の瞬間。
 警官は発砲した。
 腕が吹き飛んだ。
「ああ、じっとしていて下さい」
 逃げようとした背中に命中する。
「元よりも壊れた体になってしまいますよ!」
 よろめきつつドアノブを掴もうとした手が、消し飛んだ。

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関連タグ: #声#夢#警察
コメント(1)
  • こわいてすね。

    2022/11/14/21:08

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