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意味怖(意味がわかると怖い話)

件の首さんによる意味怖(意味がわかると怖い話)にまつわる怖い話の投稿です

高収入
長編 2022/11/12 12:46 5,870view
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「ミキちゃん、一緒に帰らない?」
 放課後、帰り支度をしていると、ヒナコが遠慮がちに声をかけて来た。
 クラスでも目立たないヒナコは、私に妙に懐いている。
 私にとっては友達の1人だが、彼女にとっては唯一の友達なのかも知れない。
 とはいえ、今日は他の友達は、部活や委員会でいなくて、私も1人だ。多分、そうなる曜日をヒナコは把握して声をかけている。
「みんな忙しいみたいだし、良いよ」
「じゃ、行こ行こ」

 帰り道、通学路沿いにあるコンビニに私たちは立ち寄る。
 私はアイスの冷凍庫から、食べ慣れた棒アイスを取る。
「払っちゃうから入れて」
 ヒナコが店内用のカゴを差し出す。
「なんかいつも悪いね」
「いいよ、パパ活してるし、お金はあるんだ」

 さらりと言う。
 最初に言われた時にはかなり驚いた。
 だが人間慣れるものだ。
 奢られる事も、ヒナコがパパ活してるという冗談も、違和感がなくなっていた。
 さっきの遠慮の言葉も、ほとんど形だけだ。
 会計を済ませるヒナコを眺める。
 と、ヒナコが支払いにクレジットカードを使っているのが見えた。
 高校生で?

「――それ、家族のクレカ?」
 コンビニから出て、私は尋ねる。
「ううん、パパが何買っても良いよって」
 カードの名義は、医療法人? の名前になっていた。
「パパ活って……マジだったの?」

 完全に嘘とは思っていなかったが、こうやって証拠を見せられると不思議な気分になる。
「ミキちゃんに嘘なんか言わないよぉ」
 ヒナコは笑った。

 パパ活そのものに興味があった訳じゃない。
 ただ、お金は欲しかった。
 その後、ヒナコから色々パパ活の事を聞き出した。
 結論から言えば、ネットでたまに耳にするような都合の良いおいしい話はない。
 高収入にはそれだけのリスクがある。
 怖い思いをする事もあったが、運良くとても良い「パパ」を見つけられ、その後はその「パパ」だけで足りているそうだ。
 その最後の「パパ」は、「サポート」を求められる事もなく紳士的で、かなりの手当をくれる、つまりはクレジットカードの君だ。
 ヒナコは少し考えてから言った。
「パパ、色んな若い子の考えとか色々知りたいって言ってたよ。まだ1人、2人お手当出せるみたいだよ」
 どれだけ金があるんだろう。でも、大人の金銭感覚は違うのかも知れない。
「良かったら、ミキちゃんも会わない?」
「……いい?」

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コメント(2)
  • この終わり方が怖い

    2022/11/12/20:10
  • お大事になすって下さい。

    2022/11/12/21:47

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