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心霊

ぴさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

身に覚えのない傷跡
短編 2022/11/01 20:33 664view

朝起きたら、指に傷がありました。

まったく身に覚えのない傷なのですが、夜になるとそこが真っ赤に膿んできて、酷く痛みました。

翌朝は週末だったので、早めに仕事を切り上げて、病院に行きました。

処置はしてもらったけど、結局何の傷かまでは分からなかったです。

病院で塗り薬をもらったのに、傷が治らないどころかじくじくとしてより痛みが酷くなりました。

何かの感染症ではないかと疑ったし、その可能性に恐怖してもう一度別の病院に行きました。

けれど前の病院と同じように原因が分からなくて、どうにもできなかったです。

仕方なく、また別の塗り薬をもらって私は帰宅したのです。

家に帰ると留守電が入っていました。

なんとはなしに聞いてみたのですが、ががーっという電波の悪そうな音と共に「ニャー」という猫の鳴き声のようなものが聞こえました。

聞いた瞬間にぞわっとよく分からないけど鳥肌が立ちました。

こんなことがあったと久しぶりに母に電話をしてみたら、「お墓参りしなさいよ」と言われたのです。

母は祖父が呼んでいるというのです。

そういえば祖父は生前猫が大好きで、黒猫を飼っていたのです。

私にはぜんぜん懐かなくて、よく引っかかれた思い出があります。

私は痛む指をさすりながら、久しぶりに祖父のお墓参りに行きました。

するとあれだけ痛んでたまらなかった指の傷が自然と治っていったのです。

母の言うとおり、もしかしたら祖父に呼ばれたのかもしれないと思いました。

お墓参りに来ない孫に寂しがっている祖父は容易に想像できます。

身の覚えのない指の傷はもしかしたら、祖父に懐いていた黒猫が悲しむ祖父を見て、怒ってつけた傷だったのかもしれません。

また来年も忘れず、祖父のお墓参りに行こうと思いました。

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コメント(1)
  • 犬猫の傷は凄い痛みますよね。

    2022/11/02/02:36

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