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心霊

ぶぶぶの王子さんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

7番オペ室
短編 2022/10/05 23:16 894view

かつて小児科産科専門病院の地下で医療材料の滅菌などの仕事をしていました。

夜勤の時は使用したオペ室に材料の補充などもしていました。そんな仕事仲間の話です。

元々霊感があると言っていたAさん。時給がいいことから夜勤専門で働いていました。

ある日のこと。夜中に産科の患者さんの緊急手術を行うことになりました。産科の手術は必ず7番オペ室で行います。この患者さんも同じく7番オペ室を使用しました。手術時間はさほど長くなく、無事に手術は終わりお子さんが生まれました。

手術後、Aさんはその7番オペ室の掃除と材料補充を頼まれました。必要なものをカートに積み、無人となった7番オペ室へ向かいました。オペ室のドアを開けた瞬間、Aさんは言い表すのが難しいほど体が重くなったのを感じたそうです。

しかし仕事だから仕方ないと、塩を入れた袋をポケットに入れオペ室へと足を踏み入れました。血が飛び散っている床を掃除し、材料の補充しながらAさんは徐々に体の不調を感じ始めました。体の重みから始まり、貧血のようなめまい、吐き気、冷や汗が出てきました。次第に立っていることも辛くなり、待機室にいる同僚に交代を頼もうとオペ室を出ようと決めました。

立っているのもやっとだったAさんがなんとかオペ室入口へたどり着き電気を消そうと振り返ると、オペ室隣の部屋の窓にオペ室をじっと見つめる手術着の女性が立っているのが見えました。その瞬間Aさんは持ってきたカートを置きざりにし、力の限り走って同僚のもとへ戻りました。待合室にいた同僚は真っ青になっているAさんに驚きすぐに早退させました。

Aさんが見た7番オペ室の隣の部屋。その部屋は生まれる新生児のためのベッドが並ぶ部屋であり、職員以外の入室は出来ません。Aさん以外いない産科専用7番オペ室をじっと見つめていた手術着の女性は誰なのか…そしていつからAさんのいるオペ室を見ていたのか…。

Aさんはこの出来事のあと、夜勤で働くことを辞め日勤に異動しました。しかし今もまだ7番オペ室に入ると気分が悪くなると言います。

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