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心霊

林檎酢さんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

新築なのに現象が起こる家
長編 2022/08/17 14:34 3,935view

母もこの家で同じような現象を体験していたそうなのです。
玄関の備え付けのシューズボックスの扉が目の前で激しく開閉したり、
スタンドライトの電球がすごい勢いで飛んで行ったりしたそうです。

私と妹が怖がるかと思い、言わなかったそうです。

母曰く、原因は家を建てた土地にもともとあった狐を祀った祠が怪しいと思っていたそうです。
家を建て始める前にしっかりお祓いはしていたのですが、払いきれていなかったようで
それからというもの、しばらく家の中には盛り塩が置かれていました。

母はその後現象が起こり怖がる私たちを冷静に慰め、なるべく怖がらせないように務めてくれていたと思います。
ですが私もその当時、母を心配させまいと話していなかったことがありました。

中学二年生だった私は、夏休みを過ぎてから軽い不眠症になってしまい

布団に入っても眠れない日々が続きました。
ベッドは部屋の入り口からまっすぐ正面に配置しており、壁際には大きな窓がありました。
夜はただ時間が過ぎるのを待って、カーテンから日の光が漏れてくるころにやっとウトウトし始める毎日でした。

その日も私は夜は眠れず
明るくなってきてようやく眠くなってきていました。

すると突然

ドンドンドン!ドンドンドンドンドンドン!!
バンバンバンバン!!!

まるで複数のひとが一斉に窓を叩いてくるような大きな音がしたのです。

びっくりした私は飛び起き、すぐにカーテンを開けました。

お祭りか暴走族かと疑いたかったのですが、私の家は住宅街にあり
朝の4時ころに大きな音を出すお祭りも、畑のわき道を通るような暴走族も現実的ではなかったのです。
あれだけ大きな音が鳴ったのに起きてこない両親や妹を不思議に思いました。

早く私の気のせいだと思いたかったのと、母に心配をかけたくなかったので誰にも話していません。

他にも開けっ放しのドアが誰もいない状態でノックされたり、本棚の本が地震でもないのに一気に落ちてきたこともありました。

はじめは私も妹も現象を怖がっていましたが、しばらくすると慣れてきてしまっていて
現象が起きてもほとんど無視するような形になっていき、現象は次第に収まっていきました。

十数年の時が経ち、私たち姉妹は実家を出てそれぞれの生活を送っていましたが、
つい先月、私は両親の結婚記念日に送るプレゼントを一緒に考えるために、
妹を家に呼ぶことになりました。

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