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心霊

豆さんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

2階のトイレの女の子
短編 2021/02/12 11:57 1,334view

私の両親は昔、寮の管理人をしていました。その時の怖い体験です。

母は寮生さんの為に朝・昼・晩と食事を毎日作っていました。私は一人っ子だったので家では遊び相手もおらず、いつも1人で遊んでいました。いつもは母に「寮生さんの邪魔になるから2階には上がって来ちゃダメだ!」と言われていたので1階の自分の部屋で遊んでいました。すると急に天井から「早く来て!」と声がしたんです。ん?えっ?なんで?とは思いましたが部屋の外から母が呼んだのかもしれない、と思い2階に行きました。厨房に向かうと母は黙々と作業をしていて私には全然気づいていませんでした。
あれ?呼ばれてすぐに来たのになんで母は何事もなかったようにしているんだろう?と疑問に思いながら母に声をかけました。
「お母さん呼んだ?なに?」とすると母は「ずっとここで作業をしてたのに呼びに行くわけないじゃない!」と。あれ?お母さんに呼ばれたわけじゃなかったんだと思いながらも、じゃあ私を呼んだのは誰なんだろう?とおかしいなと思いながら気のせいだったかな?と思うようにしました。この後は2階に来たからついでに夜ご飯を食べていきなさい!と母に言われたので食堂で夜ご飯を食べて、お皿を厨房の流しに持って行った時、また「早く来て!」と声が聞こえたんです。その時、母は寮生さんと話していたので絶対私に話しかけてないことは明らかでした。
さっきは1回しか聞こえなかったのに今回は何回も「早く来て!」と聞こえて来ます。
何かおかしい…。小学生の私でもわかりました。よく耳を覚ませて聞いてみると外のトイレから声が聞こえてくるのがハッキリとわかりました。その時思い出したんです、お母さんから「2階の外にあるトイレには絶対入っちゃダメよ。トイレに行きたいなら中のトイレを使いなさい」と。鳥肌が立ちました。本能で絶対に行ってはいけないとガタガタと体が震えました。でも小学生の私は恐怖心より好奇心の方が勝ってしまい2階のトイレに入ってしまったんです。

初めて入った2階のトイレは和式で電気を点けても薄暗くすごく居心地が悪かったです。1・2分周りを見回しても何も聞こえない。
なんだ!勘違いかと思い、出ようとした時「遅かったね!来てくれてありがとう」と耳元で声がしました。
気がついた時には自分の部屋のベットにいました。どうやら私は気絶してしまったみたいで後から母に聞いた話ではトイレで倒れていた…と。今でもあの声は誰だったのか不思議です。でもその日の夜にお風呂に入った時右肩に小さい手形が赤くアザのようにありました。きっと何かがいたのは確実です。夜はまた呼びに来るのではないかと全く眠れませんでした。

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コメント(1)
  • 古典的で良い。秀逸。

    2021/02/12/20:26

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