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心霊

カネチカさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

正座する人
短編 2022/06/24 22:19 1,183view

これは専門学校時代にあった話です。

田舎から大阪に引っ越して1K6畳ほどのマンションに1人で住んでいました。
玄関から1枚の扉を挟んで、左はクローゼット、右はキッチン、そして6畳の部屋にベランダへ続く窓が1つという間取りでした。
ベランダの外は誰かの家の庭に繋がっていて、そこには大きな木が植えられていました。
そのせいで、日当たりはあまりよく、1日中うす暗い部屋でした。
だけど、日中はほぼ家にいないため、そこまで気になりませんでした。
なぜなら朝は学校へ行き、そのまま夕方から深夜までバイトをしていたからです。

そんなある日、バイトが終わり0時ごろ部屋に帰ってきました。
いつもより疲れていたためか、そのままベッドに横たわって寝ることにしました。

何時間たったのかわかりません。
身体が急に重くなり、私は身動きができなくなりました。
「ちょ・・・なんだこれ」
と口に出そうとしても、声がでません。
身体だけでなく、声まで出せなくなったのです。

かろうじて首だけはすこし動かせました。
そして首を右側に傾けた先に、、、

人の膝が2つ見えたのです。
つまり私の枕元で誰かが正座をしていたのです。

それだけでも怖くなりました。
だけどもっと不思議なのは、その先は壁のハズなんです。
ベッドは左の壁にピッタリとくっつけた場所に配置してあり、私が右側を向くと壁が見えるはずなのです。
だけど、そこに誰かが正座をしている。

私はもうわけがわからなく、叫びたくても声がだせません。

そして、正座していた人の頭が私の耳元に近づいてくるのがわかりました。
そこでこう囁いたのです。
「おきろ…」

その瞬間、
「うわあああああああああああああ」
私の叫び声が部屋に響き渡りました。

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