会社の倉庫の鏡

自分が夏休みにバイトしていた会社の話です。

その会社は輸入卸会社で商品がとても多いので、倉庫を別に借りていました。本社と倉庫の距離は歩いて1分もかからないので毎日、倉庫と本社を行ったり来たりしていました。

トイレは本社に二箇所、倉庫に一箇所ありました。お客様も商品を買いに来たりしていて、トイレを使用するので本社のトイレは綺麗に清掃されていました。

倉庫のトイレは基本的に従業員しか使わないのであまり綺麗ではありませんでした。

ある日、倉庫のトイレを使用した後に鏡を見るとあきらかに人の体毛が鏡に数十本貼り付けてありました。

見た瞬間怖いのと気持ち悪いので吐きそうになりました。直ぐにその場を離れ仕事に戻りました。

そして、次の日鏡だけを見に行くと、昨日より量が増えていました。鳥肌が立ちました。

そして、犯人はこの会社の従業員だと確信しました。

次の日、倉庫のトイレを隠れて見張っているといつも酒臭くて有名な人がトイレに入り鏡の前で顔をずっと見ながら手を動かしていました。

閉めきれていないドアの隙間から恐る恐る覗き込むと、手を鼻に持っていき鼻毛を数本摘みそれを鏡にくっつけていたのです。

怖いのと気持ち悪いので声も出ませんでした。

直ぐにリーダーに報告して二度としないように注意されていました。

バイトの期間中その人を見るだけで生身の人間の怖さと気持ち悪さがこみ上げてきました。

今でも、鏡に何か汚れがついていたりするとフラッシュバックします。呪いのようなものです。