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心霊

パピコさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

消えたはずの赤い光
長編 2022/03/27 17:52 2,648view
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私が体験した2018年9月彼氏と東北旅行に出かけたときの話です。

私が住んでいる県からは3時間くらいで東北に行けるので、日帰りで旅行に行くことになりました。

3連休だったこともあり、どこに行っても混んでいましたが、美味しい牛タンを食べたり、観光をしたりしながら1日心いくまで楽しみました。

帰りが思いのほか遅くなってしまい、仙台を出たころには夜10時をまわっていました。

しかし、3連休の中日ということもあり、車もそこそこ走っていました。

高速道路には東日本大震災のときに被災した、福島第1原発の影響で、放射線の測定量が何メートルかおきに表示されていました。

福島第1原発に近付くにつれて、放射線の測定量が増え、帰宅困難区域という看板が見えました。

朝通ったときは気づきませんでしたが、街灯や信号もまったく点灯されておらず、街は暗闇に包まれていました。

寂しさを感じながら暗闇を見つめていると、その暗闇の中にぼんやり赤い何かが見えました。

車のガラスに何かが写ったのかなと思い、窓を開けてみました。

それでもその赤い光のようなものは、小さく揺れながら街の暗闇の中を少しずつ移動していました。

私は不思議に思い、運転をしていた彼氏にそのことを伝えました。

彼氏が少しだけスピードを落としてその方向を見ると、赤い光はスゥーっと上へ上へと向かい、夜空に消えていきました。

結局それが何だったのかは分からず、私たちは特に気にも留めず家に向かいました。

夜12時ごろ、高速道路をおりました。

もう少しで家に着くと思った矢先に、彼氏が「少しだけ仮眠をとっていいかな?」と訪ねてきました。

突然ものすごい眠気が襲ってきたとのことで、私たちは近くのロードパークで1度仮眠をとることにしました。

ロードパークは私たち以外に停まっている車はなかったものの、街灯も明るかったため、安心して仮眠をとることができました。

「もう、限界」そうつぶやくと彼氏が車のシートを倒して眠りにつきました。

私も同じように車のシートを倒して、静かに目を閉じました。

5分後、「ねぇ、何か音がしない?」と彼氏がつぶやきました。

私には何も聞こえなかったため、「何の音もしないよ。風の音じゃない?」と言いました。

彼氏も「気のせいか。」とそこまで気にも留めず、もう一度眠りにつきました。

私がもう一度眠りにつこうと横になった時、車の後方からザクッという音が聞こえました。

土の上を歩いているような音でした。

ザクッザクッとその音は、ゆっくりと一歩ずつ近づいてきている感じがしました。

私は怖くなり彼氏の方に目をやると、彼氏もその音に気付いていたのか、私の方を向き険しい表情をしていました。

私たちが恐怖で固まっていると、ザクッザクッという音が止まりました。

しばらくすると、今度は人の話し声が聞こえ始めました。

何を言っているのか明確ではありませんが、何人かの人たちがヒソヒソと話している様子。

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