曰く付きの部屋をあてがわれる職業

私がバスガイドの仕事をしていた頃のお話です。

新人研修を終え、最初は近隣の県への仕事からだったのですが、この日は何台ものバスツアーではなく、初めて自分1台での単独の仕事でした。

先輩ガイドさんもおらず不安がありました。

何台ものバスツアーですとガイドは数人で一部屋を使い、夜には明日の勉強をしたり先輩に聞いたりできるのですが今回は1人、部屋で勉強をしていました。

ウトウトし、何時かは忘れてしまいましたが突然、古めかしい暖房がブチブチと音を出し、昔ながらの和風の電気はバチバチと切れたり、ついたり。

停電かとも思いましたがテレビは普通についていました。

怖くなり近くの部屋のドライバーさんの部屋に呼びに行こうとした時の事です。

昔ながらのテレビではありましたが、この時代にはありえない白黒の砂嵐に‥

直前までは地方の番組でその地域の天気予報をしていたのに‥

人に知らせてはいけないような気がして、暖房、電気もすでに戻っているし、テレビのチャンネルは変えました。

怖くてその後チャンネルを戻す事はできませんでしたが翌日、ドライバーさんに出来事を話すと渋々教えてくれました。

この旅館は名前を変える前に事件で亡くなった方がいた旅館でなかなか有名な話だと‥

そして私たちツアースタッフはそういう曰くのある部屋をあてがわれるのだと‥