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妖怪・風習・伝奇

中目黒さんによる妖怪・風習・伝奇にまつわる怖い話の投稿です

人が入ることのできない空間に座る少女
短編 2021/09/24 19:58 1,497view

これは僕が小学校低学年の頃に実際に体験した話です。
当時いつも家に帰ると誰かしらが家にいる家庭で鍵を持つことはほとんどありませんでした。しかしその日はたまたま母が帰るのが遅いと言うことで鍵を持たされ学校に向かっていました。
学校では特に何事もなくいつもの日常を送るだけでした。

授業も終わり帰宅する時間になると、いつもは友達と放課後遊んで4:00頃帰るのですが、その日は早く帰りたいと思い遊ぶこともなく帰ることにしました。

家に帰ると当然のように鍵は開いておらず、持っていた鍵でガチャガチャと鍵を開けて家の中に入ります。なんだかその日は家に誰もいないと言う不安感からかどんよりとした雰囲気を感じて少しびくびくしていました。
家の中には誰もいないとわかっているのに「ただいまー」と言って家の中に入ります。その声は虚しく空を切り当然返事が返ってくることもありません。なんだかそれが無性に寂しくて怖くて2階にも向けて同じように「ただいまー」と大きな声で声をかけました。それも当然のように返事が来ることなく虚しく静寂が襲ってきます。

怖いなぁという気持ちもありそれ以上声をかけることはしませんでした。そして居間へ向かいランドセルを降ろそうとリビングに目を向けた時でした。その時一瞬時が止まったように感じ視線は何故か椅子の下に釘付けとなりました。そこには誰もいるはずのない空間、人1人入ることもできない空間にも関わらず体育座りをしている少女の姿があったのです。

その子の姿を見ても不思議とそこまで恐怖心は起きませんでしたが後ろへ顔を向けてまた振り返った時にはその場にいた少女はいなくなっていました。
もしかするとその女の子は座敷童だったのではないかと今では思っています。

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