壁から黒い人が現れるホテル

これは、私が旅行で鳥取県に行った時の話です。ネームバリューのあるホテルに泊まりました。
そのホテルは駅から歩いて15〜20分に所にあり、ものすごく古い建物という訳ではありません。
ホテルの部屋もきちんと清掃が行き届いていて綺麗で、特に不審な点などはありませんでした。
ところが、夜眠っている時に怖い体験をすることになるのです。

夜中12時くらいに眠くなり、ベッドに入りました。疲れていたので、すぐに眠気が襲ってきました。
そのまま眠ってしまったのですが、途中で私は少し気味悪さを感じて目を覚ましました。

正確に言うと、目を覚ますというよりは、目は開いていないのに起きているような感覚でした。
体も動かなかったので、金縛りに近いような感覚だと捉えてもらえればいいと思います。
確かに目は開けていないはずなのに、泊まっている部屋の様子が見えるのです。
この時点で、私はかなり「気持ち悪いな。早く目が覚めないかな」という気持ちでいっぱいでした。

そして、壁の中から黒いワンピースの太ったおばさんが出てきて、向かい側の壁の中へ消えて行きました。
信じられない光景に不気味さを感じましたが、次の瞬間、私はもっと気持ちの悪い思いをすることになるのです。

今度は、全身真っ黒なおじさんが壁の中から現れました。
顔の所まで真っ黒なので、もちろん顔は見えないのですが、なぜかおじさんだと分かりました。
そしてその真っ黒なおじさんは私の耳から顎にかけて、顔をずるりとひと撫でしたのです。
その瞬間、気持ち悪さと怖いという気持ちで、目が覚めました。

目が覚めた後も顔を撫でられた感覚がはっきりと残っていました。
時計を見ると、時刻は夜中の3時頃を指していたと思います。

翌日もそのホテルに泊まりましたが、流石に部屋は変えてもらいました。
あれは一体何だったのでしょうか。