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不思議体験

ぴさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

夢の中で忘れ物をしてしまうと…
短編 2021/09/24 14:40 1,088view

私はよく夢を見ます。見る夢は本当に脈絡もない夢がほとんどなのですが、この日の夢はわりとリアルでした。

夕方の少し暗くなった学校に忘れ物を取りに行くという夢でした。何部か分かりませんでしたが運動場で部活をしている生徒たちの声は聞こえてきます。でもそこから少し遠い学校の校舎はとてもシンとして入る前にすごく怖くてドキドキしたのを覚えています。

3階建ての校舎でしたが私のクラスは3階にあり、そこまで登る階段はとっても不気味で怖かったです。何を取りに行ったのかは朧気ではっきり覚えていません。次の日のテストで使うリコーダーか楽譜かなにかだったような気がします。
それを探している途中で私は知らない子に話しかけられたのです。私はその子を「ミーちゃん」と呼んでいたのですが、その子についてきてもらって一緒に忘れ物を取りに向かったのですが、無事に私の忘れ物は見つかりました。ただ途中でミーちゃんが消しゴムを落としたというので、それを探すことにしました。でもなかなか見つからず、「困ったねぇ」「どうしよう」と話している途中で呆気なく夢から覚めました。

このような夢を見た話を友達になんとなくしたんです。最初は「変な夢」って感じでさらっと流されていました。しかし、あるときに友達が急に私を呼び止めて「これさ、夢のやつじゃない?」と廊下で拾ったと説明しながら持ってきた消しゴム。私はこれにぞくりと背中を震わせてしまいました。なぜならそれは「5-3みーちゃん」と書いてある消しゴム。私はこれを見てふとみーちゃんが5年生と言っていたことを思い出しました。

しかし、消しゴムを見て思いだしたくらいうっすらした記憶で、そこまで詳しい話は友達には絶対していないです。しかも私の学校ではほとんどのクラスが2クラスしかなくて、5-3なんて存在しないはずなのです。私は怖くなってしまって、その子に押し付けられそうになった消しゴムを元の場所に戻してくるように言いました。それを持ち帰る勇気が私にはなかったのです。

それから1週間くらいした頃に、私は家のリビングで悲鳴を上げました。見覚えのある消しゴムがそこにあったからです。母は知らない女の子が「忘れ物です」って届けてくれたよって何の悪気もなく私に言い、私は真っ青になりました。紛れもなく「ミーちゃん」と書いた消しゴムでした。あれは夢の話をした友達のいたずらだったのでしょうか。でもその友達の顔を母は知っているはずなので、少なくても消しゴムを届けにきた女の子は違う子。この出来事があって私は夜の校舎には絶対に近付かないと誓いました。

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