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不思議体験

綿貫 一さんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

【あの頃の怪談②】写真
長編 2024/02/03 18:51 3,077view
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「あなた、昔、オカルト的なものが好きだったわよね?」

今も大好きだ、と告げると、彼女は少し迷ったような顔をした後、その封を開けた。
中からは、写真の束が出てきた。

「先日、実家の建て替えがあって、荷物を整理していたの。
そうしたら、小学校時代の写真が出てきて。
たぶん、現像したまま、中身を見ないで引き出しにしまっちゃってたみたいなの。
ちょうど同窓会もあるから、話のネタになるかと思って、中身を確かめてみたんだけど――」

それは、小学4年の夏休みの写真だったそうだ。
友人たちと、近所の神社の夏祭りに行った時、使い捨てカメラで撮影したものらしい。
懐かしい風合いのアナログ写真を順に見ていくと、浴衣姿の初恋の少女が、満面の笑みをカメラに向けていた。

きっと、少年時代の私なら、家宝にしていただろう。

「これが――?」

彼女のかすかに緊張した表情が気になって、写真にめくりながら尋ねると、

「――それ」

と、不意に彼女がつぶやいた。
それは、夏祭りの神社から一転、屋内で撮影された写真であった。
二十歳くらいの若い男が、気だるげな表情で、窓辺で煙草をふかしている。

「それ、大学の頃に同棲してたカレシ」

ふうん、と気のない返事をしたが、内心「見たくないものを見てしまった」と私は毒づいた。
それから一瞬後に、違和感に気がつく。

「小学校の頃の使い捨てカメラ、大人になるまで現像しなかったの?」

フィルムを使い切らなかったカメラがたまたま出てきたから、それでカレシの写真を撮った、ということだろうか。
ずいぶん物持ちがいいものだ。

「そんなことしてないよ。
それに、次からまた夏祭りの写真に戻ってるでしょ?」

彼女の言う通り、写真の中は、再び小学校時代に戻っている。

「大学の頃の写真が、昔の写真の束に混じってたってことじゃ――」

当然考えられる可能性を口にするも、彼女は首を振る。

「そもそもそんな写真、撮った覚えがないの。同棲してた期間も短かったし。
それにね、写真の隅に写ってる日付が、」

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コメント(3)
  • 続きだ!!

    2024/02/03/20:26
  • 綿貫です。
    それでは、こんな噺を。

    2024/02/03/22:14
  • う~む、分かりやすいのに良くわからない話であり、怖そうなのに怖いのかわからない。
    でも意味不明な話でもない。
    まさに不思議怖い話だ。

    2024/02/04/10:10

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