体操服の少年の幽霊

私の中学校にもいわくというか七不思議の噂みたいのがありました。
その殆どは、作り話ですが、なかには本当の事も含まれていました。
これは、私と友人のＡが体験したできごとです。
まず噂の１つになっていたのが、夜になって体育館の裏に行くと、少年の幽霊が出るから、話しかけられても無視するように、一緒に話したらあちらの世界に連れて行かれるというものでした。
中2の２学期のある日のことです。
この日は、所属する部活の大会が近く、いつもより練習が長引いていました。
練習を終えて帰りの支度をして、ふと時計を見ると19時を過ぎていたと思います。
私の中学は田舎で、スクールバスを利用していましたが、遅くなるとバスがないので、家族に迎えを頼むことになります。
他の部員は、全員帰ってしまい、私と隣のクラスのＡが親の都合で迎えが来るのを待っていました。
Ａに何気なくこの話知ってる？と少年の幽霊の話をしたところ、Ａは怖い話が好きらしくその話で盛り上がりました。

今から行ってみようよと私が言い出しました。
その時は、私もＡもそれは単なる噂で、実際にはあり得ないだろうとたかをくくっていました。
一緒に体育館の裏に行くと、人影があります。
最初は、まだ先生が残っているんだろうと思いましたが、側まで行ったら自分たちと同じ位の年齢の子がいて、服装は、白いTシャツに白い短パンを履いていました。
Ａが何してるの？と聞き、3人でお話しをしましたが、何を話したかよく覚えていません。
次に気がついた時は病院でした。
親がいつまで待ってても来ないから、職員室に行き、残っている先生と学校内を探したところ、2人とも体育館の裏で倒れていたそうです。
病院で2人とも検査を受けましたが、特に異常はなく、過労だろうと言われました。
後に学校の歴史を調べる機会があり、古いアルバムを見たところ、あの子の服装は1世代前の体操服であることがわかりました。