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呪い・祟り

かたなみ様
長編 2021/04/16 10:55 1,687view
これは、いま思うと、あのとき気軽にある場所に行かなければ良かったと後悔しているお話しです。

大学時代からの友人にSという奴がいます。
Sとは、出身県が一緒でお互い実家からそんなに離れていない事や、高校時代はテニス部だった事など共通点が多く、仲良くなりました。
大学3年生になり、必要な単位はほとんど取れていたので、バイトを掛け持ちしたり、Sや他の友人と遊んだり、Mという彼女もできて、充実した日々を送っていました。
11月に入り、寒暖の差が激しくなってきたころだったと思います。
この日は、俺と彼女のM、SとSの彼女のRの4人で某ネズミの国に来ていました。
夜にホテルに泊まり、部屋は別々でしたが、食事を済ませ、風呂に入った後、4人で1つの部屋に集まり、ビールやおつまみを食べながら、トランプをしたり、今となってはくだらない話しで盛り上がっていました。
俺とSは普段から良く怖い話を話しており、たいていは稲〇淳〇さんのネタとか都市伝説の類いでした。
この日はSが、かたなみ様という話しをしていました。
かたなみ様とは、T県のかなり田舎の小さな村にある祠の事で、その祠が作られたきっかけは、鎌倉時代まで遡り、当時飢餓や天災から守るために作ったものであるといったようなものだったと思います。
実は理由は違うんだよ
彼女のMが言いました。
実はMはそこの村の出身者で、小6まで実家で過ごし、私立中学に行くため家族でT市のマンションに移り住んだとのことで、今は、実家は両親が別荘にしているという。
Mの話しだと、大昔、飢餓や天災が起きた後、その地域に生まれてくる子供には必ず一人以上は、奇形や何らかの障がいを持って生まれて来るものがいたらしい。
差別意識が強く、障がいに対応する特別支援など皆無な時代故の事、人々は我が村から絶対に障がい者を出さないため躍起になった。
村の隣町にあるK寺の別院を建立して、そこに仏像を祀ったのがはじまり。
村の人は全員自分が都合良いときにお詣りすることが義務化された。
また、夫婦が子供を授かった時には必ず子供が生まれてくる日まで毎日朝晩にお経と題目を唱えるという掟が作られた。
Mは小さい時、まだ祖父母が生きていた時にこの話を聞かされたとのことだった。
東京大空襲の影響で、お寺は半壊したが不思議と仏像は無事だったらしく、村の人は仏像のために小さい祠をつくり、仏像を厳重に管理したとのことだった。
好奇心旺盛な俺とSは今度行ってみようと盛り上がってRも賛成した。
Mは少々渋ったが、行くだけなら別に良いかとなり、次の連休に唯一車の免許を持っていたSの運転で、レンタカーを借りて、行くことになった。
高速道路を使い、最寄りのインターを降りてからは、Mが案内した。
9年の間に、色々風景が変わったものもあり、少々戸惑ったが、何とか現地に着く事ができた。
車を止めて、祠に行く途中、畑で作業していたおばさんに声をかけられた。
あなたたちこの辺りの人じゃないね、どこから来たのとか、Mが以前住んでいた〇〇(屋号)のというと、Mとおばさんが少々話して、すんなり祠に向かう事ができた。
祠は、厚いベニヤでできた箱で、鍵が掛かっており、その板にお経みたいのがたくさん書いてあり、細かいのは何書いているか良くわからなかったけど、ほぼ真ん中中央に南無妙法蓮華経日?と書いてあるのがかろうじてわかった。
おそらくはそのベニヤ板の中に仏像があるのだろうと思った矢先、あろうことかSがベニヤ板を蹴ったり、近くにあった棒で壊しはじめた。
Rもキャラが変わったように手伝っていた。 
俺とMは止めたが、Sは大丈夫と聞かなかった。
二重になっていたが、思いのほかすんなり壊れた。
顔がひし形になってて、手の指は6本あり、足の指は3本だったの仏像があった。
キモっと言って、Sは煙草を吸い始めた。
それによってMとRも煙草に火を付けた。
俺は、二十歳になる前に煙草は止めたから吸わなかったが、、〇便が漏れそうだったので、祠のすぐ近くに放出してしまった。
その日は、近くの安い宿に泊まり、次の日帰る前にもう一度祠を見に行った。
仏像の眼が開いていた(゚Д゚)。
ヤバイよと言ったが、Sはたいしたことないだろうと強気だった。
当時住んでいた近くのサイ〇リヤで食事して、この日は解散した。
1週間後、Sが自転車で通行中車に跳ねられ意識不明の重体で入院した。
俺とMとRでお見舞いに行った時には、一命を取り留め、会話ができた。
Sはあの日からずっと夢であの仏像がだんだん近づいてくる夢をみていたという。
運転手は既に送検されていたが、Sはボーっとしていて気がついた時には病院だったらしい。
2週間後、今度は俺がバイト中に、資材を移動していて、躓いて転倒する事故を起こした。
すぐ近くにあの仏像がいたような気がした。
そのときは、なぜか下腹部を切って出血が止まらなくて病院で縫ったため、しばらく自慰行為ができなかった。
同じころ、Mが仏像に追いかけられる夢をみると話してきた。
Sが退院してきたから、4人で大学の近くのガ〇トに集合した。
Sはあれから仏像の夢は見なかったが、Rも夢を見ていた。
やはり、あの時壊したのがまずかたのだろう。
4人で話し合った結果、Mのあの祠は元々隣町のK寺の別院だからお寺に行けば何とかなるとの意見に納得し、お寺に向かう事にした。
正直に話せば、最終的には許してもらえるだろうと思っていたが甘かった。
お寺があった場所は公民館になっていた。
近くの人にK寺はどうなったのか聞いたが、K寺は昭和初期から平成4年ごろにかけて何度か改宗し、その度に住職も代わり、数年前K寺は某新興宗教に引き渡され、その組織は2キロ先のF町にあるとの事だったが、村の祠とは一切無関係とのことがわかった。
どうにもならなかった。
ネットでお祓いしてくれる神社や霊能者、明らかに胡散臭いところや、神主、住職等も色々試したが、門前払いか話しを聞いてうちでは払えないと言われた。
4年生なり、就活もあるため、4人で一緒に会うのが少なくなっていた矢先、Mが急死した。
母親が朝起こしに行ったら眠るようになくなっていたらしい。
卒業後SとRは結婚した。
27歳なるころ、Rが妊娠し、出産のために入院した。
このころには、それぞれあの話しはなくなっていたし、夢を見ることや、これと言った問題はなかったから、俺はもう大丈夫だと思っていた。
9月のある日でした。
久しぶりの残業で疲れて、早めに寝てしまった俺は夢を見た。
夢の内容は、紅葉を見ながら、キノコ狩りをしているところに小さい熊があらわれた。
俺は逃げた。
しばらく走って、後ろを振り返ると、熊は追いかけてこなかったが、変わりにあの仏像が追いかけてきた。
逃げても逃げても追いかけてくる。
そんな感じの夢だった。
起きるとTシャツが汗でびっしょりだった。
当時スマホに機種変更したばかりで、使い方がまだ良くわかっていなかったが、夜中何度もSから着信があった。
折り返すと、出産予定日より、4日早く、Rの状態が急変したらしく、俺が病院に駆けつけた時には集中治療室にいた。
Sの医師から聞いた話だと、原因はわからないが、生きて生まれるのは難しく、おそらくは死産になるだろうとのことだった。
Sに何か言ってあげなければならないのに言葉が出なかった。
Sと2人で泣いた。
翌日、Rは意識を取り戻して、手術で死んだ赤ちゃんを取り出した。
医師は、死体は見ない方が良いと言いましたが、せめてもの供養に、対面して手を合わせるのが筋ではないのかと懇願し、見せてもらった。
真っ黒で、ひし形の顔、手の指が6本、足の指が3本のあの仏像そのものだった。
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コメント(3)
  • オチは読めてたけど、それでもおもしろかった!

    2021/04/16/12:19
  • たかみな様

    2021/04/16/13:08
  • 仏像の奇妙な形は奇形の子供を表していたのかな
    SとRが祠を壊したのがそもそもの原因だけどいきなり壊し始めたのは正気とは思えない
    かといって祠を壊すことを望んだ別の誰かがいたのか全く分からない
    少しもやもやする

    2021/04/18/17:41