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呪い・祟り

綿貫 一さんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

ザイコウセイ
長編 2023/12/19 19:33 8,961view
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――さあ、みんな。面白い話をしようか?

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§

僕が子供の頃に通っていた、小学校の話だ。

そこはC県の片田舎にある、ごくありふれた、普通の小学校なんだけどね。
だけど、その学校では数年ごとに、「神隠し」が起こったんだ。

ある日、忽然と、児童の姿が消える。
それも決まって、校舎の中で。
周りはみんな、必死になってその子の行方を探すけど、見つからない。
消えた生徒は戻ってこない。

普通なら、誘拐や事故を疑うよね? 
でも、違うんだ。
それはやっぱり、正しく「神隠し」だったんだよ。

§

§

初めにそれが起こったのは、1989年の11月だった。
ちょうど、元号が昭和から平成に変わった年だね。

当時六年生のふたりの女の子。
仮にアカネちゃんとミドリちゃんにしようか。
ふたりは自分たちの教室で、放課後、残っておしゃべりをしていたんだって。

日が暮れてきたので、そろそろ帰ろうかという話になった。
仲良しのふたりは、揃って教室のある三階から、下駄箱のある昇降口まで歩いて行った。
靴を履き替えていた時、アカネちゃんが声を上げた。

「いっけない! 今日宿題が出てた算数のドリル、机の中に入れっぱなしだった」

「ここで待っててあげるから、早く取ってきなよ」

もう靴を履いてしまったミドリちゃんは、ちょっぴり不満げにそう言った。

「ごめんね、ちょっと行ってくるね」と、アカネちゃんは薄暗い校舎の中に、駆け足で戻っていく。

ミドリちゃんはしばらく昇降口で友だちの帰りを待った。

でも。

5分しても、10分しても、アカネちゃんは戻ってこない。
しびれを切らしたミドリちゃんは、自分も上履きに履き替えて、元いた教室に向かったんだ。

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コメント(2)
  • 面白かった

    2023/12/19/20:20
  • なんか面白かったです。語り口が良かったです。

    2023/12/19/21:50

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