緑髪の女（後日談）

また、あの時期兄が家にいなかったのは合宿ではなく、素行があまりにも悪かった兄をとある寺に預けていたそうです。
寺へ預けられた経緯や寺の名前、寺で何が行われていたのかは教えてくれませんでしたが、そういう状況であったのは全く知りませんでした。良く考えたら、お盆時期に合宿なんてするはずがありません。
それを聞いて一つの可能性に気付きました。あの霊は普段から兄に取り憑いていたのではないかと。寺に行ったことで、何らかの理由で兄から引き剥がされたあの霊が行き場を失い、実家に来たのではないかと。戻ってきた兄が人が変わったように優しくなっていたのは取り憑いていた霊が居なくなったからではないのかと。

そう思えてなりません。
これを書いている今でもあの女性の顔は忘れられません。あのおぞましい顔や姿が脳裏に焼き付いています。

兄と叔父は先祖の生まれ変わりという中々カオスな状況ですが、古い家なので…。
にわかに信じがたいですが話はこれで終わりです。
私が見たこの女性の霊が無事成仏していることを切に願います。