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妖怪・風習・伝奇

イエティさんによる妖怪・風習・伝奇にまつわる怖い話の投稿です

九尾伝説
短編 2021/03/10 13:45 6,189view
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分かれ道があり、左側はどうも人が二人通れる広さではない。

右側は少し湿っているが、難なく進めるだろう。

トキさんにそれを言おうとしたが、
気付いたころには左側へと歩きだしていた。

「どうしてそっちに行くの」

「呼ばれているからよ」

「狐の神様に呼ばれているの?」

「そう、位の高い神様」

慌てて追いかけたが、狭すぎて、なかなか追いつけない。

トキさんは既にこの狭い抜け穴を超えたようで、姿は見えない。

少し経って、やっとこの狭さから抜け出した。

ひと際、青色が強くなった気がして、ふと見渡す。

そこには、淡い青色に輝く、大きな大きな狐がいた。

9本のしっぽをゆらゆらと揺らしながら、

「何が欲しい。何が望みだ」

「帰る道を知りたい。迷ったんだ。」

狐が目をつむると、頭の中に帰り道の道のりが流れ込んできた。

「これでは贄の2割にもならんな。貴様の血筋に富を与える」

「では、去れ」

言われるがままに、元来た道を戻り、家に帰った。

心配していた家族に抱きしめられ、眠ろうとした。

しかし、狐に言われた最後の言葉が頭に響いて眠れない。

「やはり、巫女の血は美味い。」

トキさんはそれ以降、行方不明のまま見つかることはなかった。

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コメント(3)
  • 切ねえ…

    2021/03/11/00:16
  • 寺にも巫女が居てるんだ!

    2021/04/17/00:56
  • キツネは残忍ですね

    2022/07/18/16:42

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