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心霊

takeさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

朝刊配達
短編 2023/02/23 11:35 1,173view
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母方の叔父から聞いた話です。
叔父は高校時代に、朝刊配達のアルバイトをしていました。
配達担当地区に、毎朝家の前で、
掃除や体操をしながら待っているお爺さんがいて、
「おはようございます」
「おはよう、ご苦労さん」
と、挨拶を交わし、直接手渡していました。

そのお爺さんが、突然亡くなってしまったのだそうです。
脳梗塞だか心不全だかで、急なことでした。
しかし、亡くなった日もその後も、変わらず叔父は、
お爺さんに、直接手渡し続けていました。
叔父は『霊感体質』で、子供の頃からそういうことが当たり前になっていたのです。

そして数ヶ月後、その家の旦那さん、つまり、お爺さんの息子さんから、
新聞の契約を今月いっぱいでやめたいと申し出がありました。

新聞を読むのは、その家でお爺さんだけだったからです。

最終日、いつものようにお爺さんに手渡した時、
「今日で最後ですね、いままでご購読ありがとうございました」
と、叔父が言うと、
「そうかあ……最後か……毎朝ご苦労さんだったね」
お爺さんは、寂しそうに笑ってそう言った後、玄関のドアを開けずに、すっと中に消えていきました。

ポストには、さっき手渡したはずの新聞が、入っていたそうです。
叔父は、手を合わせてそっと頭を下げました。

その後、その家の前を通りかかっても、お爺さんの姿を見ることはありませんでした。

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コメント(1)
  • 新聞、毎日楽しみにしていたのでしょうね。切ないお話でした(´;ω;`)

    2023/02/23/11:44

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