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心霊

takeさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

祖母と曾祖母
短編 2022/12/10 23:59 630view
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私の母方の祖母から聞いた話です。

祖母が二十代のころ、友達と街を歩いていると、ビルの陰から誰かがこちらに向かって手を振っているのに気づいたそうです。
それは数年前に亡くなった祖母のお母さん(私から見れば曾祖母)だったのです。
「お母さん?」
驚いて声を上げて立ち止まってよく見ると、手を振っているのではなく、手のひらをこっちに向けて前後させる動きの、『止まれ』か『こっちへ来るな』というジェスチャーをしていて、必死に何かを訴えるような表情でした。
一緒に歩いていた友達も「どうしたの?」と立ち止まりました。
「そこに……」
指を差してあらためて見たときには、もうお母さんの姿はありませんでした。あれ、見間違いだったのかな、と思ったとき、前方数メートル先に男性が落ちてきて地面に叩きつけられたそうです。そのまま歩いていれば、その投身自殺に間違いなく祖母や友達は巻き添えになっていたでしょう。
「あれは母が救ってくれたんだね」としみじみ言っていました。

ちなみに人が地面に叩きつけられる時の音は独特だそうで、水分をたくさん含んだ土砂をパンパンに詰め込んだ布袋を高所から投げ落としたようだったといいます。
「いまでも忘れられんわ」と、顔をしかめて小さく首を振っていたのが印象的でした。

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