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不思議体験

takeさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

不思議な友達
短編 2022/12/10 22:02 974view
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私の父に聞いた話です。

父の子供時代の話なので、昭和四十年前後でしょうか。

その頃は子供の数が多くて、毎日十人以上が集まり、中にはよく名前を知らない子がいても、すぐに仲良くなり、暗くなるまで野球やかくれんぼ、鬼ごっこなどに興じていたそうです。

その中に、よく遊んでいる男の子がいたのですが、毎日同じ服を着ていて、髪もボサボサ、風呂に入っていないのか手足もちょっと薄汚れている子でした。

それでも抜群に運動神経が良く、バク転を軽々と決めて足も速い人気者だったそうです。

その子がある日、帰り際に「もう明日から遊びに来れないんだ」と言います。

なんで? と、父や他の子供たちが聞くと「家がなくなるから」と言ったのだそうです。

よく意味がわからないまま、解散してそれぞれ家に帰ったそうですが、その夜、住宅街のはずれにある一軒家が火事になり全焼しました。その家は空き家で誰も住んでおらず、人的被害はありませんでした。

そして、次の日から本当にその子は遊びに来なくなってしまったそうです。

「後でその時の連中と話題になったんだけどな、誰もその子と学校で顔を合わせたことがないし、家の場所を知らなかったんだよ……それに、その子の名前を誰一人、どうしても思い出せないんだ」

と、父は首を傾げていました。

その空き家に棲んでいた何者かだったのか、ただの偶然なのか……今はもうわかりません。

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