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心霊

ねこじろうさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

エアー家庭教師
長編 2022/11/02 15:27 8,345view
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それは大学が夏休みに入った1日目のこと。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

度重なる遅刻でカフェのバイトを解雇された俺は、アパートの一室で朝からだらだらと暇を持て余していた。

ソファーに寝転がり集合ポストに入っていたバイト情報のフリーペーパーを何気に見ていると、とある募集が目に止まる。

※※※※※※※※※※
家庭教師急募!

当方、来年受験を迎える中三女子の親です。
週一、二時間程度、ご指導いただける方を探しています。
時給5,000円 交通費別途支給
詳細は以下にお電話を!

090-○○○○-○○○○ Sまで
※※※※※※※※※※

─時給5,000円だと?嘘だろ?

俺はソファーから飛び上がり、改めて紙面に目を近付けて何度となく内容を確認する。

そして、テーブルに置かれた携帯に手を伸ばした。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

その日の午後2時。

着なれないリクルートスーツに身を包んだ俺は、指定された喫茶店の窓際テーブルに座っていた。

正面には40過ぎくらいの七三分けの実直そうなSさんが座り、熱心に俺の履歴書に目を走らせている。

しばらくすると彼は履歴書から顔を上げ、こう言った。

「もし、来ていただけるなら、いつから大丈夫ですか?」

「はい明日からでも大丈夫です」

時間は腐るほどあったから俺は自信を持って答える。

Sさんは一回コーヒーをすすると、しばらく物憂げな表情で窓の外を眺めていた。

そして改めて俺の方に向き直り、こう言った。

「びっくりさせるかもしれませんが、うちには今子供はいないのです」

「は?」

Sさんの意味不明な言葉に、俺はコーヒーを吹き出しそうになる。

「いや、あの、募集欄には中三女子と」

「はい、確かに今年の春から三年生になる予定でした」

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コメント(2)
  • 怖い。。虚言癖というか旦那さんが可笑しかったんですね。

    2022/11/02/23:45
  • 家庭教師募集のあたりから、話のなかにひきこまれていった。文章うまいですね。

    2023/08/11/08:57

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