友達の日記が怖い

『平成ＸＸ年６月１日。
またＦ君が夢にでる。
顔がめちゃくちゃになってて怖かった。
何か言ってるけど聞こえない』

『平成ＸＸ年7月11日。
Ｆ君ごめんなさい。
もう夢に出ないでください。』

『平成ＸＸ年8月9日。
Ｆ君ごめんなさい。
ゆるしてください。』

そこからしばらくはＡのＦ君への謝罪が続いていた。

日記帳には勿論、その他の日常的なことが書かれている。
運動会とか修学旅行とか、それこそ家族で外出したとか、楽しい出来事が書かれている。
だけど、その合間合間には、ミミズが走ったような筆跡と随分と力の込められたことが手に分かるような筆圧でＦ君のことが書かれているのだ。
ＡはＦ君の夢をみるたびに、こうして日記に記録しているみたいだった。

少しページを読み進めてＡが中学生の頃まで飛ばすと、やはりＦ君のことに関して書かれているので、紙を捲る手を止める。

『平成ＸＸ年11月4日。
あの池で遺骨が見つかった。
みんな騒ぎ立てていたけど、俺は怖かった。
でもＦ君は事故死扱いだった。

親からＦ君の両親が骨が見つかってよかったと言ってたと聞いて、苦しくなった』

どうやらＦ君は見つかったようだが、変わりにＡは罪の意識で苦しんでいるようだった。

『平成ＸＸ年1月24日。
Ｆ、もう夢にでないでくれ。
何を言ってるか聞こえない。』

『平成ＸＸ年3月5日。
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい』

『平成ＸＸ年５月19日。
まじでゆるしてください。
ごめんなさい。
かんべんしてください。』