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不思議体験

匂わせ様さんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

「なあ、なあ、なあ。」
短編 2022/10/06 19:48 970view
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携帯の着信で目が覚めた。誰からかの着信か確認せず反射的に電話に出た。

電話口で「なあ、なあ、なあ。」という声が聞こえてくる。どちら様?と確認するも返事はない。

再度電話口から「なあ、なあ、なあ。」という声が聞こえた気がしたが、私は眠気に勝てずその声を無視して再度眠りについた。

目が覚めて、意識がようやく覚醒した頃、夜中の着信の相手が気になり履歴を見た。が、着信があった形跡はない。夢だったかそれとも寝ぼけたのかなと思い、その日は気にせず大学へ向かった。

その日の夜。再度携帯の着信で目が覚めた。寝ぼけながら電話に出ると「なあ、なあ、なあ。」という声が聞こえてきた。

昨夜同様、どちら様?と尋ねるも返答はない。再度「なあ、なあ、なあ。」という声が聞こえたが、返事をする前に、またもや眠気に勝てずに寝てしまった。

翌日の朝、昨夜の着信を確認するが履歴はない。立て続けに可笑しな夢を見たなと思ったが、その日も気にせずに大学へと向かった。

その日の晩、三度携帯の着信で起こされた。流石に完全に目が覚め、着信に出る。完全に覚醒した状態で今度は「どちら様ですか?」とはっきりと尋ねた。

しかし返答はない。代わりに玄関の扉を隔てたところから「なあ、なあ、なあ。」というくぐもった男性の声が聞こえた。

怖くなり、布団を頭からかぶり、その日は震えながら夜を過ごした。翌日、明るくなってようやく改めて携帯を確認した。

相変わらず着信は確認できなかったが、設定した覚えのない午前2時にアラームが設定されていた。

自分がいつアラームを設定し、夜の訪問者は自分に何を伝えたかったのか、未だに謎のままである。

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