奇々怪々 お知らせ

心霊

もりのくまおさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

ある夜~墓地の道~○○に~でああった~
短編 2022/09/10 03:17 1,148view

「ほんとのあいをさがすため~」にさしかかったとき、私は正面衝突を起こした。
暗くて見えないため、向こうから来た人にまさに鉢合わせしてしまったのだ。

「すっすいません」と思わず叫んでしまったのだが、その直後私は完全にフリーズして
しまった。

 目の前に立っていたのは真っ赤な人だった。全身が真っ赤に燃えているような人間。
ものすごく大きな目をしていた。顔のサイズとまったく合っていない巨大な目。
身長は私と同じくらい。枯れ木のようにカリカリにやせている。
そして明らかに全裸であった。細く枝のような手で口を覆っている。なんて長い指
なんだ。髪の毛も真っ赤だ。そして逆立っている。そしてその髪は、逆立ったまま

揺れている。

 にらめっこしていたのは10秒くらいだったろう。その世にも気持ちの悪い存在は、
ひらひらと揺れながら、ゆっくりと消えていった。かすかに、あの途中にある
民家から流れてくる気がしていたかび臭い、湿気た臭いがする。私はその後全速力で
走り、あの朽ち果てた車の近くで転び、膝あたりを血だらけにして駅に到着した。

 見開いた巨大な目。逆立った髪。口を覆った細長い指。

そう、あいつも突然私が目の前に現れてきっと、

ものすごくびっくりしたんじゃないかな。
 

2/2
コメント(0)

※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。

怖い話の人気キーワード

奇々怪々に投稿された怖い話の中から、特定のキーワードにまつわる怖い話をご覧いただけます。

気になるキーワードを探してお気に入りの怖い話を見つけてみてください。