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不思議体験

Jさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

東日本大震災の時の不思議な実体験「訪ねてきた同僚」
短編 2021/11/24 21:44 1,885view
これは私が実際に体験したとても不思議な話です。

2011年3月11日。東日本大震災が発生。

当時、私はテレビ局で仕事をしていた傍ら、その仕事だけでは食べていけず、東京都内の外資系ホテルでフロンマンのアルバイトをしていました。

震災の当日、ホテルの仕事は休みで、私は仲の良いお笑い芸人コンビのネタ合わせの為に代々木公園にいました。

地面が大きく揺れ、ビルのガラスが割れて落ちる。一瞬、自分が眩暈を起こしたのかと勘違いしましたが、防災放送が渋谷の街に鳴り響き、近くの人たちが一斉に代々木公園に避難してくる様子を見て、ただ事ではないと分かりました。

スマホのニュース映像では、大津波が街を飲み込む様子が映し出されていました。私たちは頭が真っ白になり、ただスマホから流れてくる映像を息を飲んで見守ることしかできませんでした。

と、私のスマホに着信がありました。「非通知」。
普段、知らない番号や非通知はなるべく出ないようにしていたのですが、その時は直感的に通話ボタンを押していました。

「もしもし・・・?」

電話の向こうからは、ノイズの様な音が流れ、返答がありません。
しばらく問いかけていると、聴き憶えのある男性の声がします。

「あ、○○くん? △△ホテルのMです」

声の主は、半年前に今の職場から気仙沼にある系列ホテルに異動していた先輩のMさんでした。
私は驚いて、「大丈夫ですか?そちらは大変なことになっているみたいですが」と声を荒げて問いかけていました。

数秒のノイズ音の後、

「うん、まあ、ヤバいね。まあ、また今度、ゆっくり話そう」

と言って電話は切れてしまいました。

それから2日後。
私はホテルの本部の命令で、気仙沼の系列ホテルの復旧作業をするために短期的な異動となりました。

そのホテルは、ライフラインはもちろん絶望的。
上層階が特に酷い状況で、復旧にはかなり時間と労力がいると感じました。
営業停止でしたが、非公式で、とある報道番組のクルーと医師団の一部が宿泊していました。

ホテルの復旧作業を開始して2日目の夜。
ラジオの情報により、Mさんが行方不明であることを知りました。ホテル近くの民家の人たちの救助活動に参加して、そのまま行方が分からなくなったということです。
生存は絶望的だと同僚のみんなも覚悟していました。そして、数時間後には、Mさんが死亡者として公式に発表され、みんなが悲しみに包まれたのです。

深夜0時頃、私はホテルの片づけを済ませ、簡単な食事を済ませ、夜勤の見回りの準備をしていました。
すると、フロイントの呼び出しベルが鳴りました。
ホテル内は勿論のこと、外は信号機も破壊され町全体が暗闇に包まれています。
時間は深夜0時を回っており、この時間に訪ねてくる人などいる筈もありません。
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コメント(4)
  • 凄い話…
    確か阪神大震災の時に現れた幽霊も順番待ちの時に友人の元を訪れたという怪談がありますね

    多くの方が亡くなる時はこういったことが本当にあるのかもしれないです

    2021/11/24/22:21
  • 凄いです、あの世の世界がイメージとして浮かんできました。
    皆自分が死んだと分かった上の行動なら、待機時間と言うのはあの世の門を潜るまでの時間と考えていいのかしら?
    その間に自分の体がまだ機能できる状態なら戻れるんじゃないかしら?
    亡くなると辛いけど、そういったことが実際に有るのなら、少しは安心します。

    阿弥陀様、M.さんに冥福をお祈り致します。🙏

    2021/11/25/01:42
  • 怖いというより寂しい話やけどなんか鳥肌立ったしほんまの話なんやろな

    2021/11/26/17:51
  • 先輩、助かって生存者に居ると良かったですね。でも、旅立つ前に会えて感じる事が出来て良かったです。責任感をもって人助けが出来た事、あなたに状況や話が出来た事は本当によかったと感じさせられます。というよりホッコリしました。素晴らしい先輩に出会えて良かったですね。どうか大切な思い出に…。一人でも多く先輩の御冥福を祈る気持ちが増えて欲しい、と思います。
     待機時間ってある方や無い方もいる様な気がしますが?多くの人は有る様な感じがします。でも教科書のように教えられるものでもなく…ありがたい話が聞けて感謝しました。

    2021/11/27/19:56

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