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心霊

にゃぼろんさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

怪異の家
短編 2022/08/29 00:04 902view

私の母親の実家の話になります。

何十年も前に引き払ったので、もう建物自体はないかもしれませんが、住んでいた当時から古い家で、同時に事故物件と呼ばれる類の物件でした。

というのも、住み始めた人の少なくとも直近三世帯の人たち全員が、この家に住み始めて半年以内に自然死以外の形で亡くなっているという、地元では有名な事故物件でした。

そもそも土地柄なのか、そのあたり一帯で、幽霊の目撃情報が頻繁にあり、その中でも特にやばいと言われていたのが、母の実家で、お祓いも断られるほどのトンデモ物件でした。

何故そんな物件を契約したのかというと、当時、母親の父(祖父)に当たる方が、その物件をえらく気に入り、周りの反対を押し切って購入に踏み切ったそうです。

その家に住み始めてから、様々な怪現象が起こるようになりますが、極めつけ怖かった出来事をお話しします。

その日、母と母の妹(叔母)が1階の居間で雑誌を読んでいました。

2人で雑誌を読んでいると、急に妹が立ち上がり、2階へ上がっていきました。

2階は仏間や物置があるくらいで、特に用事がなければ2階へ上がることはないのですが、その時、母は雑誌に夢中で、そこまで深く考えず、雑誌を読み続けていました。

それから、1時間ほど経っても、妹が2階に上がったっきり戻ってこないので、さすがに心配になり、様子を見に行きました。

2階に上がって物置を探すもいません。
続いて仏間に向かうと、中から妹のすすり泣く声がします。

恐る恐る部屋に入ると、妹は仏間の前で座り込み、手を合わせて、泣きながら念仏を唱えていました。

「え!?どうしたん?何か怖いもの見たん?」

妹は霊感があり、時々同じようなことがあったので、そう問いかけました。

「ちょっと怖いもん見てしまって・・・。」

妹曰く、2人で居間で雑誌を読んでいた時に、ふと寒気がし、同時にテレビの方から誰かに見られている気がしてそちらを見ると、髪の長い女の生首がテレビの上にあり、じっとこちらを睨んでいたとのことでした。

怖くて声も出せないまま、慌てて2階の仏間に逃げ込み、念仏を唱えていたそうです。

他にも憑依された妹に首を絞められたり、玄関に落ち武者の幽霊が立っていたり、ニュースになる前(公開される前)の殺〇事件の被害者の生首に追いかけられたり、と数えきれないほどの心霊体験をこの家でしたそうです。

地元の有名な霊能者からも、「早くあの家から出ないと死ぬよ」と何度も言われていて、私が生まれる前に引き払ったようです。

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