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不思議体験

cocoroさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

夜の訪問者
長編 2022/07/16 07:55 2,630view
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弟と急に心細くなりだしていると、変な声でいつかえってきますか?と声がします。

どこに立って話しているのだろう?相変わらず、外には誰の姿も私の目にはみえません。

返事をせずに黙っていると、また、ガチャガチャとドアノブを回す音がしだしました。

お母さんじゃないかもと思うと怖くなって、内扉をしめて二人で震えていると、車の音がして、しばらくすると、玄関の鍵を開けるとともにお母さんの姿が入ってきて、ただいま~!ちょっと遅くなってごめんね!と。

 お母さん、さっきまで外に誰かいたよ!会わなかった?

え?とお母さん。誰もおらんかったよ?男の人?女の人やった?だれかわかる?

こんな遅い時間に訪ねてくる人おらんと思うけど。。。。とお母さんも急に不安な顔になって半信半疑で、外にもう一度確認しに行きました。

帰ってきたお母さんは、やっぱりだれもいなかったと、どんな対応をしたか、相手の様子を聞いてきましたが、ドアの隙間から覗いて誰も見えなかったというと、内扉を開けていたのがばれるのでそこは黙っておいて、お母さんが男の人の声を真似して、私たちを試してたんやろ?と逆切れで二人でお母さんをせめました。

お母さんは今帰ってきたばかりだというばかりです。

うちの家は長屋の一番奥なので、誰かがきて、もう一度この住宅地付近から出ていくには、1本道なのでお母さんが帰ってきた道を通らないといけないので、絶対にお母さんに会うはずです。

その時、時間は夜の9時ごろ、訪問する人はいなくて当然の時間帯、そしてお母さんだったなら車の音がするはず、車の音がしてお母さんが帰ってきた、お母さんはその人とすれ違っていない。。。。よくよく考えると、来た人の帰る足音がしなかったし、姿も見えない。。。私の頭はくるくると回り、どろぼう。。。?セールスマン?やっぱり、変装したお母さん?絶対にご近所さんではありませんでした。

弟は、お母さんが帰っていたことで安心して、すぐに眠りにつきましたが、私は複雑な気持ちでした。 

 そののち、その社宅の長屋が立っていたところは、たくさんの人がなくなっていた場所で、昔、処刑場が近くにあり、そのせいかそこでは、おいはぎや通り魔がでて、女の人に乱暴する人がでたり、多くの人が殺され、その血で赤く染まった土地であることから赤坂という地名が付いているとお寺の御上人さんから聞きました。

 そして、月に一度のお参りの時、あの話をしたら、御上人さんからその訪問者は、私たちの怖いという思いと、お母さんの心配を餌ににいたずらをしにきた霊だったということも教えてくれました。 

 除霊をしてもらいましたが、悪さをしようと出てきたのではなく、怖がらせたかっただけのようでした。

 あれ以来、夜の訪問者も夜にお母さんが出ていくこともなくなりました。

そして、夜の訪問者に対応してはいけないというルールが我が家でできたのでした。

あれから、そこを引越したのですが、家主さんが不審な死を遂げて孤独死していたことをきっかけに、その社宅は取り壊されて、住宅地になって新しい家が建っているのですが、その場所を通るだけで頭が痛くなります。

住んでいる人は大丈夫なんだろうかと心配にはなりますが。。。。

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