地方の旅館で遭遇した子供の幽霊

今から10年ほど前、北陸の方へ家族旅行した時の体験です。
海に近い場所にある旅館へ、私たち4人は宿泊をしました。
1泊2日の利用で、温泉街にあるような古い感じの外観です。

2階の部屋を利用する私たちは、昼間に市街地を探索して楽しみます。
夕方になり、旅館へ戻るとテレビを見ながらノンビリ過ごしました。
夜の11時ぐらいになったので、寝る事にした我が家。

私は、部屋の窓側に寝ていた時です。

頭に何か触れる感触があり、暗い中うっすら目が覚めます。
気のせいかと思いながら、寝ようとしたら再び頭に何か当たります。

目を開けると、人の手で私の頭を触っていました。
隣で寝ている妻の手と思った私は、妻を見ました。
しかし、妻の手ではなく知らない所から伸びて来ている感じです。

手は消え、私は少し怖くなり寝ようとすると、人の気配を感じます。
すると、寝ている私の横に小学生１、2年生ぐらいの男の子が立っていました。

「うわあああああ」

私は、子供を見て驚き顔を見ると青白くこの世の人間ではない感じです。
次の瞬間、体は固く硬直しいわゆる金縛りになりました。
体を動かそうとした私は、子供の方を見ると姿はありませんでした。

金縛りが解けて、妻と子供を起こしました。
そして、子供の事を話すと娘も見たそうです。
朝になり、受付で子供の話をすると旅館の女性が言います。

「すみません。おそらく私の子供と思います。3年前に病気で亡くなったんです。」

病気で亡くなった子供は、おそらく私たち親子を見て寂しく感じて現れたかも知れません。