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呪い・祟り

足が太いさんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

ひとりかくれんぼに使ったぬいぐるみの行方
長編 2022/06/05 23:59 3,655view
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次にアカリちゃんから連絡が来たのは、それから1週間後のことです。
電話に出ると暗い声で「ぬいぐるみが…、ぬいぐるみが私の後をずっとついてくるの…」と言うのです。
どういうことなのか尋ねてもアカリちゃんはひたすら「ぬいぐるみが後をついてくる」としか言いません。
「心配だからアカリちゃんの家に行こうか?」と聞くと、アカリちゃんは「私、今家にいないの…ぬいぐるみがずっとついてくるから外にいて…。ここ、どこなんだろう。あれ?私…」と言って、電話が突然切れてしまいました。

何度も電話をかけ直したのですが、「お掛けになった番号は電波の届かない場所にいます」というようなアナウンスが流れるばかり。
全くアカリちゃんと連絡が取れなくなってしまったのです。
アカリちゃんの元彼さんの家は覚えていないし、アカリちゃんの実家の番号は分からないので、モヤモヤした気持ちを抱えながらアカリちゃんの一人暮らしのマンションまで行きました。
しかし、インターフォンを何度鳴らしても誰も出ません。
これは警察に相談するべきか…と悩んでいると、握りしめていたスマホに着信がありました。

出るとアカリちゃんの母と名乗る女性でした。
話しを聞くと、どうやらつい先ほど、アカリちゃんが樹海で衰弱した様子でいたのを発見されたとのことでした。
アカリちゃんのお母さんは、私が何度もアカリちゃんに電話をかけていたことから、何か事情を知っているのではないかと思ったようです。
アカリちゃんは樹海へ行く前、お母さんに「ひとりかくれんぼが終わらないの。ぬいぐるみが私をずっと追いかけてくる。だからぬいぐるみが追い付けない場所に行かないと…」と電話をしていたそうです。
お母さんは「もしかして自ら命を絶つんじゃないか」と思って、警察に捜索願を出して、それでアカリちゃんが見つかったようでした。

アカリちゃんのお母さんには、アカリちゃんがひとりかくれんぼをしたことなどを包み隠さず話しましたが、いまいち信じていないようでした。
アカリちゃんは心身ともに衰弱していたことからすぐ入院となったようで、私が次に会えたのはそれから1ヶ月後、アカリちゃんが退院してからです。
すっかり元気になったアカリちゃんに話しを聞いたのですが、ひとりかくれんぼについての記憶は一切残っていないようでした。
ひとりかくれんぼに使ったぬいぐるみがどうしてアカリちゃんの元彼の家に行ったのか、アカリちゃんの身に一体何か起きたのか、今でも分かっていません。

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