行き過ぎた受験戦争の成れの果て

むしろ発狂したのは母親の方です。
最初は毎晩弟の夢を見ると言っては弟の行っていた学校や兄の行っている学校の校門近くでマントラ（呪文のようなもの）を唱えるだとか、真理を説くだとかそういったことをしていました。
ところが何をやっても弟は戻らないと分かると、兄を激しく責め立てた後、今度は母が弟の後を追うこととなってしまいました。

これを機に父親は家を引き払い、会社のすぐ近くに安アパートを借りて過ごすようになりました。
また兄は高卒で引きこもりになりました。
しかし、死ななかっただけマシだったのかもしれません。

それはさておき。
その家はしばらく買い手がつかず、無人のまま放置されていました。

元々は立派できれいな家と庭だったのに草はぼうぼう、壁は汚れ放題。

その後何度か買われたことはあったようなのですが、住人はすぐに去ってしまいました。
人づてに聞いた話では住人が仕事をクビになっただとか離婚になっただとかそういう話はあったようですが、一方でオバケが出るといったような話はなかったそうです。
まあリアルはこんなもんなんでしょうかね。
霊能力者に視てもらえば何かあったのかもしれませんが。

ちなみについ最近その家は取り壊しになり、現在ではコインパーキングになっています。
しかしああいうことがあった場所というのは何か本能的に感じるものがあるのでしょうか、同じ地域の他のコインパーキングと比べて、明らかに客の入りが悪いように思います。
ああいうことが長年続いた場所には何か悪いエネルギーのようなものが残るのでしょうか？
だとしたら、不幸に暮らすというのは想像以上に恐ろしい結果を招くのかもしれません。