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不思議体験

T.Aさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

ウサギおばちゃんちの不思議な襖の奥
短編 2022/01/13 19:59 1,782view

これは、私が幼い頃に経験した本当にあった不思議なお話です。

当時5歳頃でしょうか、私は両親に連れられて当時住んでいた新潟市内から、上越にある高田に住んでいる母親の友人(彼女はウサギを飼っていたので、当時の私は大変失礼ながらウサギおばちゃんと呼んでいた)の家に遊びに行きました。

そのウサギおばちゃんのお宅は昭和の雰囲気が漂う、田舎ならどこにでもありそうな中庭付きの一軒家でした。
小さな池の付いた中庭に先述したウサギが3匹放し飼いにされていました。
彼女の家に到着した私たちは土壁と言うんですかね?壁が土色でお線香の匂いが残る和室の居間に案内されました。
招待されたのは両親と兄(7歳)と私(5歳)の四人家族。

昼食を食べ終えて片付けをしている母とウサギおばちゃん。
私は兄と一緒に中庭のウサギと遊んだり、お絵描きをして過ごしていました。

母とウサギおばちゃんのお喋りは凄く盛り上がっていました。

何時間が経ったのでしょうか?談笑は凄く長く続いていた記憶があります。

大人達が盛り上がっている話題は、半分も理解できない子供にとっては退屈なもの。
私と兄はソファーの上で何度も寝て起きてを繰り返していたと思います。

窓からの調光も暗くなり、夕暮れにもなると夕飯の準備に必要なのか、その和室(居間)には子供だけ残されて大人達は買い物に出掛けました。
おそらく二人して気持ちよさそうに寝ていたから起こさないで行ったんでしょうね。(まだ兄はソファーの上で寝ている。 )

目覚めた私は、ほどなくして誰もいないはずなのに、公園での喧騒のような、子供たちが騒いでるような物音がすることに気付きました。
私は、その音に導かれ居間の隅にあるブラウン管テレビの裏に近づいた。テレビの裏にあった襖の奥で騒がしい音が聞こえるようでした。

「誰かいるのかな?」心の中でそう思って襖を少しばかり開けて中を覗くと、そこは八畳ほどの広い和室で小学生3年生~6年生くらいの男の子が四人、女の子が二人でボール遊びをしていました。
楽しそうにボールを蹴ったり投げたり、笑いながら遊んでいるのが見えたのですがが、私は当時から少し人見知りなところがあった為、お兄ちゃんお姉ちゃんの遊びには参戦しませんでした。

暫くすると両親とウサギおばちゃんが帰ってきて、すぐに夕食になりました。

その部屋での出来事などすっかり忘れて夕食を食べ終えた私達家族は、少しの談笑を挟みながらも、この日は遅いので帰ることになりました。

―それから数か月後―

再び私達家族はウサギおばちゃんの家に招待されました。

久しぶりに訪れるということで、道中の車の中で両親は前回訪れた時の話で盛り上がっていました。そんな話を聞いている内に、私はテレビの裏、あの襖の奥のことを思い出しました。

好奇心旺盛な私は、ウサギおばちゃんちに到着したらすぐ確認しようとワクワクしていたと思います。

到着後、両親とウサギおばちゃんが挨拶を済ませ、またも長そうなお喋りをしながら中庭のウサギ達と戯れている時、私はテレビの裏、あの襖の奥に兄を連れて行きました。
あの時のようにボール遊びをしている騒がしい音はしませんが、子供の好奇心は止まりません。バッと躊躇うこともなく勢いよく襖を開けたのです。

薄暗く、驚くほど静まり返ったあの部屋には、部屋の隅に仏壇があるくらいで何もありませんでした。
そして当然、誰もいません。兄と仏壇の方向に歩くと、それに気づいたウサギおばちゃんと両親が後を追ってきました。
家族でウサギおばちゃんのご先祖へ挨拶するため仏壇に手を合わせました。

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